
■2025.06.10 スポーツナビ
「よく他球団に…」育成指名から”最強守護神”に成長
— スポーツナビ 野球編集部 (@sn_baseball_jp) June 10, 2025
元中日チーフスカウトが明かすドラフト秘話
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■2025.06.10 スポーツナビ
「よく他球団に…」育成指名から”最強守護神”に成長 元中日チーフスカウトが明かすドラフト秘話
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立浪監督が欲しがった田中、懐疑的だった福永の指名
この年から私はチーフスカウトを外れて「シニアディレクター」としてアドバイザー的な立場で一歩引いてドラフトに関わった。新たにチーフスカウトとなった音重鎮とスカウト部長の松永幸男が中心になってドラフトを進めた年だったから、私はドラフト会議当日の会場に入ってはいない。だから現場でどんなやりとりをしていたかまでは把握していない。そういったことを踏まえてこの年の下位指名を中心に振り返りたい。
6位で獲った亜細亜大の内野手・田中幹也は身長が166センチと小柄ながらも守備範囲の広さと瞬発力、足の速さ、それに加えて亜細亜大で「野球の基本」を鍛えられていることなどが高く評価されており、本来は上位指名されてもおかしくない選手だった。それがこの順位で獲れたのには理由がある。それは3年の夏に国指定の難病「潰瘍性大腸炎」を煩い、その年の秋に大腸全摘出の大手術を受けて二カ月入院していたからに他ならない。術後はリーグ戦に復帰して盗塁もバンバン決めていたが、やはりスカウトとしては体調面に不安が残った。だからどの球団も手を出せなかったのだと思う。
病気のこと、手術のことは私も詳しく聞いていた。プライバシーにも関わることなので詳細は伏せるが、プロでシーズン通してレギュラーとして活躍するのは難しいのではないかと私は思った。立浪和義監督にもそのことは伝えていたから上位で欲しがることはなかった。だがこのとき6位までどこからも指名がなかったから「田中が残っているじゃないですか!」ということで指名に踏み切ったようだ。
ドラフト後、私は立浪監督に改めて「1年間使える選手ではないですからね」と田中の体調について釘を刺した。立浪監督も「僕は上手く使います」と言ってくれた。だからスカウトから現場へのアドバイスとしては「田中を使うなら終盤の守備固め、代走。そのスペシャリストとして使ってください」ということになる。だが去年の立浪監督も今年の井上一樹監督も田中を結構先発で使っている。あれだけセンスがある選手だから使いたくなる気持ちもよく分かる。もちろん本人も「大丈夫です!」と言うだろう。それでもやはり病気のこと、手術のことを詳しく聞いている人間としては体調面が心配になってしまう。
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米村明さんが語りました。