■2024.05.07 RadiChubu-ラジチューブ-
強いチームはできている?中日・OB荒木雅博が語る好走塁とは?
後ろのランナーに期待すること
この1ヶ月のドラゴンズの走塁は、荒木さん曰く「現状は課題だが、去年に比べて収穫と言える走塁があった」そうです。
ポイントは後ろのランナーが、相手の送球間に一つ進塁できるかどうか?
例えば、ランナー一塁・二塁の場面。ここで「後ろのランナー」とは一塁ランナーのことです。私たちは前の二塁ランナーに注目しますよね。
バッターがセンター前ヒットを打ちました。二塁ランナーは三塁を回ってホームに帰ってくる。センター、ボールを掴んでバックホーム。
我々ファンは、このバックホームした二塁ランナーがホームでアウトになるのか?を注目しがちですが、この間に後ろの一塁ランナーが二塁を蹴って三塁へ行けばチャンスが拡大します。
荒木さんが期待しているのは、こういった好走塁だそうです。
嬉しいんだけどもったいない
ところがこの1ヶ月を振り返ると、後ろのランナーが一つ先の塁を狙ってアウトになるシーンが、時々あったそうです。
後ろのランナーというのは、例えばバッターランナーでもあります。
ツーアウト、ランナー二塁の場面。打者がセンター前へ打つと、二塁ランナーは三塁を回ります。守備はセンターからバックホーム。ホームインの間にバッターランナーは二塁へ。
ところが二塁へ向かってもアウトになってスリーアウト。バッターランナーはアウトになりましたが、この回1点が入りました。
「嬉しいんだけど、なんかもったいない」という走塁死がよくあったということです。
積極的走塁ミス
この走塁死は我々ファンからすると、もったいない走塁ミスに思えますが、荒木さんによれば、実はこれが昨年までなかった「積極的走塁ミス」だとのこと。
一つ先の塁を狙う走塁は、昨年まではあまりなかったそうです。
これが「現状は課題だが、去年に比べて収穫と言える走塁があった」ということ。アウトになっているので課題です。
しかし昨年に比べてチャンスを作ろうとする部分は収穫です。
この「積極的走塁ミス」の先に「好走塁」があるそうです。
好走塁への3つのステップ
現役時代、好走塁を披露した荒木さんが言うには、「好走塁に至るまでには3つステップがある」とのこと。
まず最初は「消極的走塁ミス」。
行けるのに行かない走塁です。これはアウトにならないので、多くのファンは気づかないとか。
ワンステップ上がって「普通の走塁」。
ちゃんとセーフになる、ごく普通の走塁。
そして好走塁の最高の形に至る前に「積極的走塁ミス」があるそうです。
強いチームの好走塁
昨年まで荒木さんは一軍の内野守備走塁コーチでした。特に昨年多かったのが「消極的走塁ミス」だったそうです。
「なんで行かないの?行けたでしょ?ベース上で喜んでる場合じゃないでしょ。送球逸れてるから行かなきゃ」とボヤくことばかりだったとか。
普通のチームなら一塁、二塁で終わるところが、二塁、三塁になっている。これが強いチームの好走塁・神走塁。
「そういうチームになって欲しいし、ドラゴンズは今なりつつある」と荒木さんは実感しているそうです。
若狭「ぜひ5月のドラゴンズは、後ろのランナーが相手の送球間に一つ進めるかに注目してください」
(尾関)
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中日・村松開人「去年のシーズン終わりにようやく荒木さんの言っていることが理解できて(笑)」 → “理解できた”ことが…
元中日コーチ・荒木雅博さんが「消極的な守備」と指摘した選手
荒木雅博さんが語ります。