中日臨時コーチを務めた今中慎二さん「先発陣で『この人を軸にする』という存在がまだいない」　ただ、その中で「軸になる存在に一番近いんじゃないですか。ポテンシャルは高いと思います」と語る存在が…

■2024.03.01 NHK名古屋

解説者の視点！ “沢村賞投手”今中慎二さん ～臨時コーチとして伝えたこと・感じたこと～


課題は「軸になる存在」と「勝負どころの投球」
18日間の臨時コーチを終えた今中さんは、今季の中日投手陣をどう展望しているでしょうか。

今中さん
先発陣で『この人を軸にする』という存在がまだいない。今年それをだれが担うのか。そこにチームの命運もかかってくるでしょうから。出てこないとなかなか上位に行けないというのはここ何年かで分かっている。（高橋宏斗投手が今の課題をクリアすれば？）軸になる存在に一番近いんじゃないですか。ポテンシャルは高いと思います。今あまり良くないのにあれだけのボールを投げるわけですから、良くなったらどれだけ投げるのか楽しみ。それから、このキャンプで目立つのは梅津晃大投手。相当パワーアップしています。真っすぐも変化球もトップクラスです。（セ・リーグを通してみても注目の存在ですか？）そうですね。トミージョン手術の後で登板間隔はいろいろありますが、ローテーションで回ってきたら強いんじゃないでしょうか。（経験のある投手の中では？）柳裕也投手が投球数を多く投げ込む姿が特に目立ちました。球界全体で5～6回で交代する投手が珍しくない中、「長いイニングを投げるんだ」という自覚がうかがえるキャンプでしたね

投手陣総体としては、数字よりも勝負強さを求めました。

今中さん
チーム防御率1位になる可能性はあるかも知れませんが、それよりチームが勝つためにどうするか。防御率が3.50になろうがここ一番で頑張ればいいだけの話です。トータルの数字はすごくいいのに僅差やリードされている終盤に「ここを抑えたら勝てるんじゃない」というところで1点取られるケースがある。そこでピッチャーがリズムを作ればベンチもいけるという風になる。それを作らなければいけない。

オープン戦も本格化して、1か月後には開幕するプロ野球。解説者としての今中さんの注目点は？
これもすぐに答えが返って来ました。

今中慎二さん
ブルペン勝負でしょう。先発完投というよりもブルペン。どうやってひっくり返すか、勝ちパターンのピッチャーから点を取るか。そういうところじゃないですか。シーズン通してみれば、リリーフ陣の起用は春先いかに我慢していくか。夏場以降のヤマ場でブルペンに頑張ってもらうしかない。春先からフル稼働したらさすがに夏にへばります。外国人投手のリリーフはある程度予備軍を置いておかなければいけないでしょう。（いろんな場面や状況で投げてくれる）タフなピッチャーは絶対必要です。結局野球は6回以降ですね。そこからがベンチワークを含めた勝負どころ。それが今の野球の一番の魅力ですよね。

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