■2023.12.07 スポーツナビ
落合監督時代のドラフト 就任1年目「高校生は1人もいらない」発言の真意
— スポーツナビ 野球編集部 (@sn_baseball_jp) December 7, 2023
星野と落合のドラフト戦略 元中日スカウト部長の回顧録 https://t.co/RBHsX3ZdzB#dragons #npbhttps://t.co/tEDpFRT0dr
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落合監督時代のドラフト 就任1年目「高校生は1人もいらない」発言の真意
中田賢一獲得のために流した噂
2巡目で獲得した中田は、一言でいえば素材が良かった。ボールが速くて馬力があり、そしてスタミナは無尽蔵。本来自由枠でなければ獲れないピッチャーだった。他球団のスカウトからも「中田を自由枠を使わずに獲るなんてずるい」とよく言われたものだ。これには秘策があった。北九州市立大の監督は私の大学の同級生。中田が入学した頃から「良いピッチャーが入ってきたぞ」という情報をもらい、九州担当の渡辺スカウトに見に行かせていた。「めちゃくちゃいいです。馬力もあって体つきもいい」という報告を受け、早くから目をつけていた。私も見に行ったが、その場で「うちが3年後に獲るからな!」と言ったほどだった。それくらい中田の投げるボールは強烈だった。
この逸材をどうしても欲しかった私は、中田が私と同じ名字であることを利用して「中田は中日の中田スカウトの親戚らしい。中日以外には絶対に行かないみたいだ」という噂を流した。これが上手くいった。だが、他球団が手をこまねくなか、地元のダイエーが黙っていなかった。2巡目で指名というならば「ウチが指名するぞ!」とけん制をしてきた。
最後まで横やりが入らないかドキドキしたが、最終的にはどこも指名をしてこなかったため、中田を無事に2巡目で指名することができた。
中田を自由枠で獲得したほうが安全ではあったが、ダルビッシュか涌井を1巡目で指名することを最後まで模索していたので、どうしても自由枠を使わずに獲得したかったのだ。
この年はドラフトの目玉の1人でもあった明治大の一場靖弘が、複数球団から栄養費名目で金銭を受け取っていたことが発覚して大きな問題となった。中日といえば昔から明治大とは強い関係性があったが、私は一場のことは評価していなかった。厳しい言い方をすれば「ボールが速いだけのピッチャー」という評価だった。また、それ以前に「ちょっとややこしいところがあるから止めましょう」と、担当スカウトから暗に後の問題を見越していたような報告もあったから、中日は獲得競争には加わらなかった。
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元中日スカウト・中田宗男さん「縁が無かった『幻の1位』が18年後にやってくる。私にとっては非常に感慨深いトレード成立です」
吉見一起さん「仲地礼亜投手が柳裕也投手に似ているという情報を貰ったんだけど違うなと思ったね。全然違うと思った。誰かなぁ? めっちゃ失礼な言い方だけど…」
当時のことについて語りました。