
■2025.11.08 CBCラジオ
『若狭敬一のスポ音』

…
若狭アナ:
「コーチ人事は球団主導なのか? 朝田憲祐球団本部長に聞いてみた」。
お便り「Q.先週のオープニングトークでコーチ人事の話をしていましたね。その際に井上監督はあまり関与せず、『背広組が行った、球団主導で行った』と話していました。今後の若狭さんの取材楽しみにしています」
まさに朝田本部長に会いにナゴヤ球場に行きました。
ズバリいきなり聞きました。
「今回のコーチ人事は球団主導ですか?」「採用基準は何ですか?」。
嶋ヘッドコーチになりました。
前田2軍バッテリーコーチになりました。
谷育成コーチになりました。
このあたりを井上監督は報道陣に囲まれても「私に聞くよりも球団に聞いてください」という話をしていて、
「ならば球団の人に聞こう、朝田本部長に聞いてみよう」と思っていきなり質問をぶつけました。
答えは明確でした。
朝田球団本部長:
球団主導です。
ただ、明確な採用基準を設けているわけではありません。
調査というか、ヒアリングというか、
しっかり聞いた上で各コーチにはお話をさせていただきました。
と。
「調査」「ヒアリング」「聞く」というキーワードが出てきました。
この朝田本部長という方は中日新聞の元記者です。
社会部が長かったようで県警担当もしていました。
警察の担当もしていました。
要は取材のプロです。
人の話を聞くプロ。
調査、ヒアリングのプロなんです。
警察というのは私も報道に携わっていて改めて知るわけですが、
いわゆる警察発表ってあるんですね。
何月何日にこういう事件が起きました。
で、その発表文を見て基本的に報道の記者も書くんですが、
それではどこの局も一緒じゃん、
だから警察と個人的に仲良くなって、なんとかその情報を聞いて、
で、取材源の秘匿というのがありますから、
誰々さんに聞いたとは言わずにちゃんと裏取りをして、
どこの新聞社よりも、どこの放送局よりも早く一報を打つという、
この緊張感が非常に大事であるということなんですね。
したがって、この朝田本部長もまさに人の懐にガバッと入ってですね、
もう情報という貴重な商品を、あの手この手で取ってくるということをずっとやってた方なので、
人の話を聞くのはプロ中のプロなんです。
私もね、初めてお会いして名刺交換して色々な話をしましたが、
非常に、にこやかで人当たりの良い方で、
ただ、ぐっと真面目な話をする時にはトーンが変わる、
なんかね、この方と話をしてると何でも僕も喋っちゃいそうだなという人でした。
朝田本部長こそが今後のドラゴンズを変えていくキーマンの1人なんじゃないかなという感じもしました。
「なぜ球団主導でコーチ人事をしたんですか?」
朝田本部長は、
朝田球団本部長:
これまで中日というのは、
1軍監督に、コーチ人事ほぼおまかせという状態でした。
1軍監督の人脈とか、1軍監督がやりやすいと思った人を1軍監督が呼んでくるということですね。
1軍の監督が変われば2軍の監督・コーチも入れ替わりました。
すると指導方法も変わるし、使われる選手、使われない選手も変わってきます。
もちろん、それで上手くいった時期もありました。
と振り返りました。
私は「星野さんとか落合さんとかですよね?」と。
朝田球団本部長:
そうです。
お二人は実績を残した素晴らしい監督です。
ただ、その幻影を追いかけすぎてはいけないと思っています。
これは色々と他球団の話を聞いたり、
今いる中日のスタッフと話をしたりして、
誰が今後、監督をやっても、
中日という球団のシステムはこうなんだというものを確立しなければならない。
まずは2軍だけでも確立しなければならないと思いました。
そうでないとドラフトでせっかく獲ってきた選手が育ちません。
と。
やはり聞くことを大切にしていた朝田本部長でした。
朝田球団本部長:
私は去年、新聞社から来た素人です。
そんなずぶの素人がプロ野球を理解できるわけがありません。
まずは人の話を聞くところからです。
と力説していました。
「具体的には朝田さん、じゃあ誰にどんな話を就任から聞いていったんですか?」
朝田球団本部長:
今年は2軍に帯同することが多かったので、
落合英二2軍監督とはよくコミュニケーションを取りました。
あとは基本的にウエスタン・リーグの球団の方ですね。
と。
「影響を受けた球団もあります?」、
朝田球団本部長:
ソフトバンクさん、オリックスさん、
この2球団からは「えっ?中日さん、そんなこともしてないの?」と言われることもありました。
お恥ずかしい話です。
私としては2,3周遅れているという実感です。
と。
「その遅れを感じて取り入れたものありますか?」
朝田球団本部長:
はい。
すぐに取り入れられるものと、なかなか取り入れられないものがありますが、
取り入れたものとしては寮の食事の改善、
選手のメンタルケア、
選手の育成計画などですね。
と。
この育成計画に関しては、
以前、スポ音でもご紹介しました。
月ごとに毎月コーチが集まって、2軍監督ともども、
これは球団の朝田本部長も入るそうですが、
A班、B班、C班と分けていく、
A班は2軍で優先的に使う選手。
で、C班はまだ今、育成の段階で試合をするとするならば社会人チームとかクラブチームとかと練習をする。
で、AでもCでもない選手がB班とクラス分けをしていくということですよね。
「その他に朝田さん、取材で色々な人の話聞きました?」
朝田球団本部長:
ウエスタン・リーグの試合にはイースタンリーグの編成スタッフが見に来ているので、
イースタン・リーグの球団の人とも話をしました。
例えば日本ハムのコーチ人事は、
あそこはほとんど球団主導で、
もう監督が連れてきた人って、もうわずかです。
DeNAもそれに近かったですね。
ソフトバンクは今年、ドラフト会議に小久保監督が出席しませんでした。
球団によってはドラフトも球団主導で行うチームがあります。
と。
「今年の中日のドラフトはどうだったんですか?」、
朝田球団本部長:
今年の、うちのドラフトは井上監督の意向をしっかり聞きましたし、
スカウトの話もしっかり聞きました。
球団主導、我々があの選手この選手ということはなかったです。
と。
要するに正解は沢山あるんですよ。
ひょっとしたら12球団12通りの細かく言うとですね、まぁ色々なやり方がある。
ただ主流は今、結構そういったチーム編成に関して言うと、
コーチ人事、ひょっとしたら監督人事も含めてですよ、
監督の人事も要はこういう球団のシステムを理解している人、
こういう球団のシステムを理解しようとする人、
こういう球団のシステムに合う人を選ぶという球団もあるかもしれません。
昔はね、昔というか、
つい最近の中日もその傾向にあったかもしれませんが、
有名な人、例えば集客力のある人、
あるいは人脈が多い人、
その監督でチケットが売れる人、
そんな形で選んでいたのかもしれませんが、
「いやいや、選手時代ってそんな有名でした?」とか、
「あれっ?その監督よりも有名人いっぱいいるのにな」みたいな人が選ばれている球団も結構、最近はあります。
だから色々とその12通りはあっても主流が変わってきているというのはあるんですが、
朝田本部長は、
朝田球団本部長:
強いチームの真似、
ある球団の真似を全部すれば、全部、中日にフィットするとも思っていない。
と。
この辺のバランス感覚も非常にある人なんですね。
ただ、積極的に自分が素人だという自覚で、
中日はこれまでずっとCSにも出ていないという現実、
そういったことを踏まえて変えていかなきゃいけないなという意識はあるんですよね。
朝田球団本部長:
これまでのやり方ではなかなか上手くいかないと思います。
と。
ここもドキッとしました。
朝田球団本部長:
今入ってくる選手と、
強かった頃の選手では、
結局、強かった頃の選手が今コーチをしてるわけなんですね。
考え方や価値観も違いますから。
と。
「えっ、ということは今後も1軍の監督とか1軍のコーチとか色々と人事があると思いますが、球団主導に変えていく可能性はありますか?」、
朝田球団本部長:
ゆくゆくは、そうなる可能性もありますが、
まずは2軍からですね。
ということで焦りはないです。
中長期に見て中日を変えていこうということですね。
こんなことも聞きました。
「反発、抵抗もありますよね?」、
朝田球団本部長:
前例踏襲が一番楽ですよ。
でも、ずっとCSに行っていないわけですから、
変えていかないとハレーションは起きます。
嫌われます。
でも嫌われ役でいいんです。
大事なのはドラゴンズを強くすることだと思っています。
と。
私、初めて会ったかもしれません。
球団関係者で、こんなに熱いことをこんなに穏やかに話す人を。
朝田本部長にコーチ人事ほか色々なことを聞いてみて少しドラゴンズが変わる気がしました。
『若狭敬一のスポ音』

明日の「スポ音」コラムは「オフのコーチ人事は球団主導だったのか?朝田憲祐球団本部長に聞いてみた」と題してお送りします。高橋宏投手と松山投手のWBC公式球についての話、清水投手の近況も。お楽しみに!
— 若狭敬一のスポ音 (@cbcspoon1053) November 7, 2025
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若狭アナ:
「コーチ人事は球団主導なのか? 朝田憲祐球団本部長に聞いてみた」。
お便り「Q.先週のオープニングトークでコーチ人事の話をしていましたね。その際に井上監督はあまり関与せず、『背広組が行った、球団主導で行った』と話していました。今後の若狭さんの取材楽しみにしています」
まさに朝田本部長に会いにナゴヤ球場に行きました。
ズバリいきなり聞きました。
「今回のコーチ人事は球団主導ですか?」「採用基準は何ですか?」。
嶋ヘッドコーチになりました。
前田2軍バッテリーコーチになりました。
谷育成コーチになりました。
このあたりを井上監督は報道陣に囲まれても「私に聞くよりも球団に聞いてください」という話をしていて、
「ならば球団の人に聞こう、朝田本部長に聞いてみよう」と思っていきなり質問をぶつけました。
答えは明確でした。
朝田球団本部長:
球団主導です。
ただ、明確な採用基準を設けているわけではありません。
調査というか、ヒアリングというか、
しっかり聞いた上で各コーチにはお話をさせていただきました。
と。
「調査」「ヒアリング」「聞く」というキーワードが出てきました。
この朝田本部長という方は中日新聞の元記者です。
社会部が長かったようで県警担当もしていました。
警察の担当もしていました。
要は取材のプロです。
人の話を聞くプロ。
調査、ヒアリングのプロなんです。
警察というのは私も報道に携わっていて改めて知るわけですが、
いわゆる警察発表ってあるんですね。
何月何日にこういう事件が起きました。
で、その発表文を見て基本的に報道の記者も書くんですが、
それではどこの局も一緒じゃん、
だから警察と個人的に仲良くなって、なんとかその情報を聞いて、
で、取材源の秘匿というのがありますから、
誰々さんに聞いたとは言わずにちゃんと裏取りをして、
どこの新聞社よりも、どこの放送局よりも早く一報を打つという、
この緊張感が非常に大事であるということなんですね。
したがって、この朝田本部長もまさに人の懐にガバッと入ってですね、
もう情報という貴重な商品を、あの手この手で取ってくるということをずっとやってた方なので、
人の話を聞くのはプロ中のプロなんです。
私もね、初めてお会いして名刺交換して色々な話をしましたが、
非常に、にこやかで人当たりの良い方で、
ただ、ぐっと真面目な話をする時にはトーンが変わる、
なんかね、この方と話をしてると何でも僕も喋っちゃいそうだなという人でした。
朝田本部長こそが今後のドラゴンズを変えていくキーマンの1人なんじゃないかなという感じもしました。
「なぜ球団主導でコーチ人事をしたんですか?」
朝田本部長は、
朝田球団本部長:
これまで中日というのは、
1軍監督に、コーチ人事ほぼおまかせという状態でした。
1軍監督の人脈とか、1軍監督がやりやすいと思った人を1軍監督が呼んでくるということですね。
1軍の監督が変われば2軍の監督・コーチも入れ替わりました。
すると指導方法も変わるし、使われる選手、使われない選手も変わってきます。
もちろん、それで上手くいった時期もありました。
と振り返りました。
私は「星野さんとか落合さんとかですよね?」と。
朝田球団本部長:
そうです。
お二人は実績を残した素晴らしい監督です。
ただ、その幻影を追いかけすぎてはいけないと思っています。
これは色々と他球団の話を聞いたり、
今いる中日のスタッフと話をしたりして、
誰が今後、監督をやっても、
中日という球団のシステムはこうなんだというものを確立しなければならない。
まずは2軍だけでも確立しなければならないと思いました。
そうでないとドラフトでせっかく獲ってきた選手が育ちません。
と。
やはり聞くことを大切にしていた朝田本部長でした。
朝田球団本部長:
私は去年、新聞社から来た素人です。
そんなずぶの素人がプロ野球を理解できるわけがありません。
まずは人の話を聞くところからです。
と力説していました。
「具体的には朝田さん、じゃあ誰にどんな話を就任から聞いていったんですか?」
朝田球団本部長:
今年は2軍に帯同することが多かったので、
落合英二2軍監督とはよくコミュニケーションを取りました。
あとは基本的にウエスタン・リーグの球団の方ですね。
と。
「影響を受けた球団もあります?」、
朝田球団本部長:
ソフトバンクさん、オリックスさん、
この2球団からは「えっ?中日さん、そんなこともしてないの?」と言われることもありました。
お恥ずかしい話です。
私としては2,3周遅れているという実感です。
と。
「その遅れを感じて取り入れたものありますか?」
朝田球団本部長:
はい。
すぐに取り入れられるものと、なかなか取り入れられないものがありますが、
取り入れたものとしては寮の食事の改善、
選手のメンタルケア、
選手の育成計画などですね。
と。
この育成計画に関しては、
以前、スポ音でもご紹介しました。
月ごとに毎月コーチが集まって、2軍監督ともども、
これは球団の朝田本部長も入るそうですが、
A班、B班、C班と分けていく、
A班は2軍で優先的に使う選手。
で、C班はまだ今、育成の段階で試合をするとするならば社会人チームとかクラブチームとかと練習をする。
で、AでもCでもない選手がB班とクラス分けをしていくということですよね。
「その他に朝田さん、取材で色々な人の話聞きました?」
朝田球団本部長:
ウエスタン・リーグの試合にはイースタンリーグの編成スタッフが見に来ているので、
イースタン・リーグの球団の人とも話をしました。
例えば日本ハムのコーチ人事は、
あそこはほとんど球団主導で、
もう監督が連れてきた人って、もうわずかです。
DeNAもそれに近かったですね。
ソフトバンクは今年、ドラフト会議に小久保監督が出席しませんでした。
球団によってはドラフトも球団主導で行うチームがあります。
と。
「今年の中日のドラフトはどうだったんですか?」、
朝田球団本部長:
今年の、うちのドラフトは井上監督の意向をしっかり聞きましたし、
スカウトの話もしっかり聞きました。
球団主導、我々があの選手この選手ということはなかったです。
と。
要するに正解は沢山あるんですよ。
ひょっとしたら12球団12通りの細かく言うとですね、まぁ色々なやり方がある。
ただ主流は今、結構そういったチーム編成に関して言うと、
コーチ人事、ひょっとしたら監督人事も含めてですよ、
監督の人事も要はこういう球団のシステムを理解している人、
こういう球団のシステムを理解しようとする人、
こういう球団のシステムに合う人を選ぶという球団もあるかもしれません。
昔はね、昔というか、
つい最近の中日もその傾向にあったかもしれませんが、
有名な人、例えば集客力のある人、
あるいは人脈が多い人、
その監督でチケットが売れる人、
そんな形で選んでいたのかもしれませんが、
「いやいや、選手時代ってそんな有名でした?」とか、
「あれっ?その監督よりも有名人いっぱいいるのにな」みたいな人が選ばれている球団も結構、最近はあります。
だから色々とその12通りはあっても主流が変わってきているというのはあるんですが、
朝田本部長は、
朝田球団本部長:
強いチームの真似、
ある球団の真似を全部すれば、全部、中日にフィットするとも思っていない。
と。
この辺のバランス感覚も非常にある人なんですね。
ただ、積極的に自分が素人だという自覚で、
中日はこれまでずっとCSにも出ていないという現実、
そういったことを踏まえて変えていかなきゃいけないなという意識はあるんですよね。
朝田球団本部長:
これまでのやり方ではなかなか上手くいかないと思います。
と。
ここもドキッとしました。
朝田球団本部長:
今入ってくる選手と、
強かった頃の選手では、
結局、強かった頃の選手が今コーチをしてるわけなんですね。
考え方や価値観も違いますから。
と。
「えっ、ということは今後も1軍の監督とか1軍のコーチとか色々と人事があると思いますが、球団主導に変えていく可能性はありますか?」、
朝田球団本部長:
ゆくゆくは、そうなる可能性もありますが、
まずは2軍からですね。
ということで焦りはないです。
中長期に見て中日を変えていこうということですね。
こんなことも聞きました。
「反発、抵抗もありますよね?」、
朝田球団本部長:
前例踏襲が一番楽ですよ。
でも、ずっとCSに行っていないわけですから、
変えていかないとハレーションは起きます。
嫌われます。
でも嫌われ役でいいんです。
大事なのはドラゴンズを強くすることだと思っています。
と。
私、初めて会ったかもしれません。
球団関係者で、こんなに熱いことをこんなに穏やかに話す人を。
朝田本部長にコーチ人事ほか色々なことを聞いてみて少しドラゴンズが変わる気がしました。
中日・落合英二2軍監督と朝田憲祐球団本部長がファーム改革中「僕がいなくなっても…」
中日・朝田憲祐球団本部長「ファンのみなさまには深くおわびします」 井上一樹監督「苦しかった。4位というよりもCSに出られなかった」
朝田球団本部長が説明です。



