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当時の中日・落合博満GM「いまのウチの状況を見てごらん? 1人でも役に立つ選手を獲らないと現場がかわいそうだろ? 俺のときは恵まれていたけど」

木下拓哉

■2023.12.11 スポーツナビ


■2023.12.11 スポーツナビ

15年、落合GMも同情した現場戦力 黄金時代に抱いていた「5年後、10年後が心配」が現実に・・・


 2位以下は前年と同じように大学、社会人で占められることになった。この年の落合さんは「高校生はいらない」とは言わなかったが、こんなことを言っていた。

「いまのウチの状況を見てごらん? 1人でも役に立つ選手を獲らないと現場がかわいそうだろ? 俺のときは恵まれていたけど」

 谷繁監督になって2年目のシーズンもBクラスの5位で終わっていた。私がスカウトになってから初めての3年連続Bクラスだった。数年前から思っていた、「5年先、10年先が心配だ」ということが現実になっていた。

 スカウト部にも、現状の低迷を一刻も早く打破しなければ次に進めない。少しでも戦力になれる選手を現場に送らなければいけないという思いがあった。そんな気持ちから、結果的に1位以外は大学・社会人選手で占められることになったのだ。

私が勝手に指名したトヨタの木下
 そんな思いのなか、3位指名したのがトヨタのキャッチャー、木下拓哉だった。私は木下を買っていた。「外れ1位か少なくとも2位までには消える。上位で指名しないと獲れませんよ」とずっと言ってきた。実際、ドラフト直前のスポーツ紙には他球団の外れ1位候補としても名前が挙がっていた、アマチュア球界ナンバー1の即戦力キャッチャーだった。

 だが、この年のドラフト戦略では上位2人はピッチャーでいくことになり、2位は東北福祉大の佐藤優で決まっていた。ピッチャーの補強も優先課題であり、佐藤も素材の良いピッチャーだったからそれは致し方がないことだった。「ポスト谷繁」になり得る木下の指名は完全に諦めていた。

 だが、ドラフトが始まるとどの球団からも木下の名前が挙がらなかった。2位指名の途中あたりから、「指名するな、指名するな……」と私は祈り続け、心臓をバクバクさせていた。そしてついに、中日の3位指名まで木下は残った。このときの3位は他の選手を予定していたと思うが、私は落合さんに確認もせずに指名用紙に『木下拓哉』と書いて、会場のスタッフに渡して半ば強引に指名した。

「トヨタから獲らなきゃいけない理由でもあるの?」

 落合さんにはそんなふうに聞かれた。何か裏で約束でもしていたのかと言いたげな感じだったが、「いえいえ、良い選手だから指名したんです!」と返した。

 繰り返しになるが、落合さんは社会人選手の契約金は高く設定する人だった。しかし私が強引に指名したせいか、落合さんが評価していなかったからなのか、3位の社会人選手にしては木下の契約金は安かった。トヨタ側からも「もうちょっと条件なんとかしてくださいよ」と言われ、私は頭を下げながらこう言った。

「これでも会社に頼み込んで条件を少し上げてもらったんです。3位で残っていたから慌てて指名したんです」

 どうにか理解してもらったものの、球団経営の苦しさをここでも感じずにはいられなかった。

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中日・木下拓哉捕手「このあたりを評価してもらいました」 中日球団が高く評価していたのは…?


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木下拓哉捕手の指名について明かしました。

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