■2026.05.09 CBCラジオ
『若狭敬一のスポ音』

…
若狭アナ:
もう1つの球種は「スラーブ」です。
大野投手も、
大野雄大:
一応、「スラーブ」と僕も言っているんですが、
スローカーブ、スローボールですね、あれね。
まぁ投げて1試合5球から10球は投げないと思いますね。
信頼度ですか?
めっちゃ低いですよ。
全然、たいした球じゃないですよ。
でも、キャッチャーとかブルペンキャッチャーの人が「いいぞ」と言ってくれるんで、
一応、球種には入っていますけども、
全然、信頼度は高くないです。
本当は柳のカーブ、(小笠原)慎之介のカーブ、
あと憲伸さんとか今中さん、
ああいうカーブ放りたいんですけど、
カウントも取れて、空振りも取れる、
スピンの利いた落差の大きいカーブ投げたいんですけど、
あれ、僕は無理なんですよ。
あれね、エリートじゃないと投げられないです。
具体的にはね、僕は手首が立てられない、
親指をパチンと弾くような感覚もないので、
カーブは投げられないので、
まぁカットボールよりちょっと、なんとなく曲がり幅が大きくなるような感じで、
ふんわり投げる、そんな球ですね。
スピン量も決して大きくないですし。
と話していました。
「なんでその球を投げるようになったんですか?」、
大野雄大:
もともと投げたいなとは、ずっと想っていたんです、若い頃から。
でも投げられないからやめておこう。
信頼度も、もう本当に0に近い。
ただ近年、タイガースの村上投手や大竹投手を見て、
あの人たちのカーブのクオリティーは僕より全然高いんですが、
試合でも、ああやって大胆に投げちゃうんだ。
で、投げて結果、抑えるっていうことにも繋がっているから、
まぁ僕の中では、そんなに完成度は高くないけれども、
1回、ああいう遅いボールを実際、試合で投げるっていうことにチャレンジしようと、
近年、想うようになったんです。
ということだったんです。
「でも、球数が実際、増えませんか?よくよく見ると、あのスラーブって、あまりストライクゾーンには入っていない気がしますが?」
大野雄大:
いいんです、いいんです。
あの球、体力0で投げていますから。
「え?っていうことは、スラーブの球数って、そんなに身体へのダメージないんですね?」
大野雄大:
はい、0です。
「ストライクは?」
大野雄大:
いや、ストライクいらないです。
完全に、あれは見せ球です。
実際、ほとんどのバッターは、あの球に反応しません。
外国人が時々、反応する程度です。
「じゃあ、なんであの球を投げているんですか?」
大野雄大:
あのスラーブと次の球、2球セットで抑えるということなんです。
残像があった状態、どんだけ、へなちょこボールでも、
1回、あの遅いボールが来るとバッターは「次、何かな」って、
その次の球への意識が、かなり強くなってくる。
そこで僕の場合は、速い真っすぐ系、ツーシームを投げることが多くて、
そっちも自信があったんですよ。
スラーブを投げておいて、
その残像があった状態で強い真っすぐで打ち取れるっていう自信があって、
実際、去年ぐらいからも、
そのスラーブと次の球のセットで抑える機会が多かったんです。
ほう、よく「見せ球、見せ球」とは聞きますが、
その球を投げるにも勇気がいる。
自分の中ではクオリティーが低いと分かっている、
でも、あえて投げる。
それは次の球とのセットで抑えるから。
で、スラーブの後に速い真っすぐ系、ツーシームを投げる、
抑えられている、いいなぁ。
大野雄大:
ただ、若狭さん、今年、森下に放り込まれたんですよ。
阪神タイガース、森下選手に物の見事に、
そのスラーブの後の真っすぐをスタンドインされた。
ひょっとしたら僕の配球傾向が出ているのかもしれません。
スラーブの後は真っすぐ系、それをきっちり狙い打たれた。
これで今はスラーブのあとにカットボールとか、
色々と、その配球のバリエーションを増やしているんです。
だからスラーブと次の球のセットの組み合わせも、結構、色々なパターンを使っているので、
相手は読みにくいのかもしれません。
と。
なんだか前の大野さんからは聞けなかったような話が聞けて、
わぁ、なんか、こう、円熟味、深みのある話だなぁって思いましたね。
前はね、試合前に話を聞いても「いや、とにかくゾーンでストライク勝負をするのみです」というような発言が多かったんですが、
スラーブと次の球のセットで投げる、
しかも、そのセットの組み合わせもバリエーションを変えていく。
「でも、大野さん、スラーブを磨こうというか、スラーブの信頼度を高めようという気持ちにはならないんですか?」
大野雄大:
それはね、ならないんですよ。
まぁ、言葉は悪いですけど諦めているんですよね。
う~ん…割り切っていると言ったほうがいいかもしれませんね。
1つのボールを、新しいボールを、
極めよう、極めよう、極めようとすることによって、
今あるボールの品質を落として、総合点が落ちてはダメなんです。
と。
そうか、そういう考え方もあるのか。
新しいボール、どんどん増える、これはいいことだ。
そして、そのボールをどんどん、どんどん高めていく、100点に近づける。
それで総合点が上がるのは当然、理想だけれども、
向き不向きとか、自分の得意、不得意があって、
上手くいかないものは上手くいかないで割り切って、
一応、武器として持っておく。
で、組み合わせで仕留める。
だからスラーブを磨こうなんて想わない。
大野雄大:
諦めという言葉でいくと、
正直ね、若狭さん、僕もう真っすぐも衰えているんですよ。
マツダでも、甲子園でも、全然、球が走っていませんでした。
マツダなんて、
いきなりストレート「139km/h」と出た時「おいおいおい」って思いましたよ。
でも、そういう時に限って、
丁寧に、丁寧に抑えることによって、
0を積み重ねていけたりするんですよね。
と。
最後、こんなことも話していました。
大野雄大:
ただ、今でも大事なのはストレートだと思っています。
若いピッチャーには真っすぐを磨いてほしいし、
いきなり投球の幅とか新しい球にも手を出してほしくないですね。
と。
1勝目も100勝目も数字にしてしまえ同じ1勝なんですが、
若い時のフレッシュな1勝、
まるでボージョレヌーボーのようなフレッシュな1勝、
沢村賞を獲った頃のような脂の乗った乗りに乗った時の1勝、
そして去年、今年のこれまでの経験、技術、気持ちの割り切り、様々なものを積み重ねた上での味わい深い熟成された1勝。
全て味が違う気がしています。
今日はなんだかワインを飲みながら、
カットボール、そしてスラーブと、その次の球に注目してみたいなと思います。
『若狭敬一のスポ音』

9対2で勝利!柳投手は2勝目!いきなり6者連続三振でした!ボスラー選手は先制2ラン!明日の「スポ音」コラムは「100勝の大野雄大投手に話を聞くと、ワインを飲みながらベテランの投球を見たくなった」と題してお送りします。明日の登板前にぜひお聞きください!
— 若狭敬一のスポ音 (@cbcspoon1053) May 8, 2026
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若狭アナ:
もう1つの球種は「スラーブ」です。
大野投手も、
大野雄大:
一応、「スラーブ」と僕も言っているんですが、
スローカーブ、スローボールですね、あれね。
まぁ投げて1試合5球から10球は投げないと思いますね。
信頼度ですか?
めっちゃ低いですよ。
全然、たいした球じゃないですよ。
でも、キャッチャーとかブルペンキャッチャーの人が「いいぞ」と言ってくれるんで、
一応、球種には入っていますけども、
全然、信頼度は高くないです。
本当は柳のカーブ、(小笠原)慎之介のカーブ、
あと憲伸さんとか今中さん、
ああいうカーブ放りたいんですけど、
カウントも取れて、空振りも取れる、
スピンの利いた落差の大きいカーブ投げたいんですけど、
あれ、僕は無理なんですよ。
あれね、エリートじゃないと投げられないです。
具体的にはね、僕は手首が立てられない、
親指をパチンと弾くような感覚もないので、
カーブは投げられないので、
まぁカットボールよりちょっと、なんとなく曲がり幅が大きくなるような感じで、
ふんわり投げる、そんな球ですね。
スピン量も決して大きくないですし。
と話していました。
「なんでその球を投げるようになったんですか?」、
大野雄大:
もともと投げたいなとは、ずっと想っていたんです、若い頃から。
でも投げられないからやめておこう。
信頼度も、もう本当に0に近い。
ただ近年、タイガースの村上投手や大竹投手を見て、
あの人たちのカーブのクオリティーは僕より全然高いんですが、
試合でも、ああやって大胆に投げちゃうんだ。
で、投げて結果、抑えるっていうことにも繋がっているから、
まぁ僕の中では、そんなに完成度は高くないけれども、
1回、ああいう遅いボールを実際、試合で投げるっていうことにチャレンジしようと、
近年、想うようになったんです。
ということだったんです。
「でも、球数が実際、増えませんか?よくよく見ると、あのスラーブって、あまりストライクゾーンには入っていない気がしますが?」
大野雄大:
いいんです、いいんです。
あの球、体力0で投げていますから。
「え?っていうことは、スラーブの球数って、そんなに身体へのダメージないんですね?」
大野雄大:
はい、0です。
「ストライクは?」
大野雄大:
いや、ストライクいらないです。
完全に、あれは見せ球です。
実際、ほとんどのバッターは、あの球に反応しません。
外国人が時々、反応する程度です。
「じゃあ、なんであの球を投げているんですか?」
大野雄大:
あのスラーブと次の球、2球セットで抑えるということなんです。
残像があった状態、どんだけ、へなちょこボールでも、
1回、あの遅いボールが来るとバッターは「次、何かな」って、
その次の球への意識が、かなり強くなってくる。
そこで僕の場合は、速い真っすぐ系、ツーシームを投げることが多くて、
そっちも自信があったんですよ。
スラーブを投げておいて、
その残像があった状態で強い真っすぐで打ち取れるっていう自信があって、
実際、去年ぐらいからも、
そのスラーブと次の球のセットで抑える機会が多かったんです。
ほう、よく「見せ球、見せ球」とは聞きますが、
その球を投げるにも勇気がいる。
自分の中ではクオリティーが低いと分かっている、
でも、あえて投げる。
それは次の球とのセットで抑えるから。
で、スラーブの後に速い真っすぐ系、ツーシームを投げる、
抑えられている、いいなぁ。
大野雄大:
ただ、若狭さん、今年、森下に放り込まれたんですよ。
阪神タイガース、森下選手に物の見事に、
そのスラーブの後の真っすぐをスタンドインされた。
ひょっとしたら僕の配球傾向が出ているのかもしれません。
スラーブの後は真っすぐ系、それをきっちり狙い打たれた。
これで今はスラーブのあとにカットボールとか、
色々と、その配球のバリエーションを増やしているんです。
だからスラーブと次の球のセットの組み合わせも、結構、色々なパターンを使っているので、
相手は読みにくいのかもしれません。
と。
なんだか前の大野さんからは聞けなかったような話が聞けて、
わぁ、なんか、こう、円熟味、深みのある話だなぁって思いましたね。
前はね、試合前に話を聞いても「いや、とにかくゾーンでストライク勝負をするのみです」というような発言が多かったんですが、
スラーブと次の球のセットで投げる、
しかも、そのセットの組み合わせもバリエーションを変えていく。
「でも、大野さん、スラーブを磨こうというか、スラーブの信頼度を高めようという気持ちにはならないんですか?」
大野雄大:
それはね、ならないんですよ。
まぁ、言葉は悪いですけど諦めているんですよね。
う~ん…割り切っていると言ったほうがいいかもしれませんね。
1つのボールを、新しいボールを、
極めよう、極めよう、極めようとすることによって、
今あるボールの品質を落として、総合点が落ちてはダメなんです。
と。
そうか、そういう考え方もあるのか。
新しいボール、どんどん増える、これはいいことだ。
そして、そのボールをどんどん、どんどん高めていく、100点に近づける。
それで総合点が上がるのは当然、理想だけれども、
向き不向きとか、自分の得意、不得意があって、
上手くいかないものは上手くいかないで割り切って、
一応、武器として持っておく。
で、組み合わせで仕留める。
だからスラーブを磨こうなんて想わない。
大野雄大:
諦めという言葉でいくと、
正直ね、若狭さん、僕もう真っすぐも衰えているんですよ。
マツダでも、甲子園でも、全然、球が走っていませんでした。
マツダなんて、
いきなりストレート「139km/h」と出た時「おいおいおい」って思いましたよ。
でも、そういう時に限って、
丁寧に、丁寧に抑えることによって、
0を積み重ねていけたりするんですよね。
と。
最後、こんなことも話していました。
大野雄大:
ただ、今でも大事なのはストレートだと思っています。
若いピッチャーには真っすぐを磨いてほしいし、
いきなり投球の幅とか新しい球にも手を出してほしくないですね。
と。
1勝目も100勝目も数字にしてしまえ同じ1勝なんですが、
若い時のフレッシュな1勝、
まるでボージョレヌーボーのようなフレッシュな1勝、
沢村賞を獲った頃のような脂の乗った乗りに乗った時の1勝、
そして去年、今年のこれまでの経験、技術、気持ちの割り切り、様々なものを積み重ねた上での味わい深い熟成された1勝。
全て味が違う気がしています。
今日はなんだかワインを飲みながら、
カットボール、そしてスラーブと、その次の球に注目してみたいなと思います。
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中日・加藤匠馬と細川成也「ちょっと遅れます、体の治療というかケアがあるんで」 大野雄大「全然いいよ」 → 待っていると…
大野雄大投手が語りました。












