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中日・岡野祐一郎スカウト、戦力外通告を受けた時の思いを明かす

岡野祐一郎
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■2024.09.21 Number Web


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わずか4年で戦力外通告「マジか…もう1年やれるかと」まさかのドラフト指名漏れも経験、元中日・岡野祐一郎が初めて語る“スカウトに転身を決めた日”
中日・岡野祐一郎スカウト、戦力外通告を受けた時の思いを明かす

 岡野にとって日本のプロ野球は腕を精一杯、伸ばしてやっとの思いで這い上がった世界だった。しかし2023年秋、わずか4年で戦力外通告を受ける。一軍での通算成績は3勝7敗だった。岡野の回想だ。

 「ショックでしたね。もう1年やると思ってたし、まだできると思ってるので。それでクビになって。マジかって。でも、考えたら危ない年齢なんですよ。僕より上の人はだいたい複数年を結んでいるし、僕より下は若いのでまだ切れない

 そのとき岡野は30歳の一歩手前、29歳だった。

痛感した「決定的なプロの壁」
 聖光学院時代の恩師である斎藤智也はこう見ている。

 「辞めるの、早いよな。俺はもっとできたと思ってるんだけども。ただ、スカウトがいつも『真っ直ぐにパンチがないんだよな』って言ってたんだよ。だから、打たれる。それが最後まで課題だったね。コントロールはよかったけど、絶対的な特徴とまでは言えなかった。でも、俺は今の選手たちに言えるよ。岡野がプロまで行けたんだから、おまえらだって絶対行けるよ、って。そういう意味では、ほんとよくやってくれたよ

 岡野もこんな感想をもらしていた。

プロとアマチュアはストライクゾーンが天と地ほど違うんです。めちゃくちゃ小さくなる。外も狭くなるんですけど、インコースはボール1個分くらい狭くなる印象があって。でも、たとえば村上(宗隆)とかいいバッターはインコースを使わないと抑えられない。なので使うんですけど、ぎりぎりをねらってツーボール・ノーストライクになったら、ほぼ終わりなんです。もうボールは投げたくない、でもバッターはもう(ストライクゾーンに)来ると思って待っている。打たれるところに投げてるんだよって言われるんですけど、打たれないところに投げたらボールって言われちゃうんです。自分の感覚では

 そこが岡野にとって努力では越えられない最後の壁だったのかもしれない。

 中日から岡野が自由契約になったと発表されると、彼のもとには複数の社会人球団などから誘いがあった。だが、最終的には中日が再雇用先として示したスカウトの道を選んだ。

 「今でも一瞬、思うことはあるんです。今、このチームに自分がいたら、どうなんだろう、って。やれるかもな、と。でも、ダメだったからクビになったわけですからね。別に未練というほどの未練はもうないです。いちおう、野球を続けようと思えば続けられる環境はあったけど、断っていますし。現役でいるよりもスカウトという仕事の方により魅力を感じたということなんだと思います

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