■2024.01.20 (阿佐智) – エキスパート – Yahoo!ニュース
ファーム参入の新球団名は「くふうハヤテベンチャーズ静岡」。過去にもあった驚きの「二軍」のネーミング
企業との密接な結びつきの中、「広告塔」となっていった日本のプロ野球
プロスポーツチームを「地域の顔」と考える欧米においては、サッカーにしても野球にしてもチーム名に企業名が入ることはほとんどない。しかし、プロスポーツチームが企業のスポンサーシップの上に成り立っていることは、プロサッカーチームのユニフォームにでかでかと描かれた企業名やメジャーリーグの球場名を見れば理解できる。
戦前に発足した日本のプロ野球も、最初はアメリカのような地域密着型の運営を目指したが、なかなかそうはいかず、電鉄系の球団は「阪急」、「阪神」、「南海」などと自社名を球団名とした。
日中戦争がはじまった1937年、それまで「大東京軍」と名乗っていたチームが、シーズン中に突如、「ライオン」と名を改めた。「ライオンズ」ではない。おまけに「名字」に当たる地名や企業名もなしである。この「ライオン」は今でもおなじみの歯磨き(現在ではペーストが主流だが、当時は「粉」だったらしい)の商品名だった。現在ではこれが社名になっているが、当時これを製造していた小林商店という会社が、ネーミングライツを購入し、寺社商品のアピールに使用したのだった。
戦後、プロ野球人気が向上していく中、球団名は「広告塔」と化していった。電鉄会社に映画会社、新聞社に食品会社、「国民的スポーツ」となっていったプロ野球は、旬の企業にとって自社をアピールする絶好の場となっていった。
独自ニックネームというファームの挑戦
そのような風潮の中、セ・パ分立後のセ・リーグはアメリカにならった画期的な試みを行った。新日本リーグがそれである。当時球団数の上でセ・リーグを凌駕するパ・リーグへの対抗手段として、球団名はそのままながら、別のニックネームをもった二軍チームによるリーグを結成し、フランチャイズも別にし、加えて地方遠征も行いリーグの認知度の向上を目論んだのである。
巨人は川崎市をフランチャイズとする「読売ジュニアジャイアンツ」、対する大阪タイガースは神戸を本拠地として「阪神ジャガーズ」、中日は静岡に「中日ダイヤモンズ」を置いた。以下、呉の「広島グリーンズ」、福岡・小倉の「洋松ジュニアロビンス」、埼玉・大宮の「国鉄フレッシュスワローズ」がこのリーグに参加したが、当時の交通事情では二軍で全国規模のリーグ戦を行うのは運営上も経営的にも難しく、2シーズンでこの試みは挫折してしまう。
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2年間のみダイヤモンズとなっていたようです。