
■2025.11.11 中日スポーツ
■2025.11.11 中日スポーツ
中日・柳裕也、国内FA権を行使せず残留を決断、巨人が調査も『ドラゴンズ愛』貫く、プロ10年目来季は竜投をけん引する
中日の柳裕也投手(31)が、8月に取得した国内FA権を行使せずに残留する意向を固めた。10日までに複数年契約で球団と大筋合意に至ったもよう。プロ入りからドラゴンズのために腕を振ってきた右腕が、来季も竜のユニホームを着てマウンドに上がる。
悩みに悩み抜いた末に、柳が決断を下した。FA権の行使申請期間が始まってから約10日。権利を行使することなく、来季からの勝負の場に慣れ親しんだドラゴンズを選んだ。
水面下では、V奪回を目指す巨人が先発陣のテコ入れのために柳を調査。中日も引き留めるため、複数回にわたって話し合いを重ねてきた。複数年契約を提示し、宣言残留も認めて慰留に尽力。「まずはドラゴンズの話を聞いてから」と語っていた右腕の心を竜に引きとどまらせ、FA権を行使せずに残留の運びとなったもようだ。
プロ9年目の今季は春季キャンプから好調を維持したものの、4月23日の巨人戦(東京ドーム)で右肩に違和感を覚え、戦列を離れた。7月中旬に1軍へ復帰し、最終成績は3勝5敗、防御率3・29。2021年に最優秀防御率、最多奪三振の2冠に輝いた右腕にとって不本意なシーズンとなった。生粋のアスリート気質。「とにかく悔しい。来年は絶対にやり返したい」。レギュラーシーズン終了後にそう語っていたように、巻き返しへの思いは強い。
来季こそ14年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を目指す中日にとって、柳の残留は朗報だ。10月のドラフト会議では1位で中西(青学大)、2位で桜井(東北福祉大)と上位で大学生右腕2人を指名。とはいえ、1年目から過大な期待をかけるのは酷な話だ。エースの高橋宏とルーキーながら15試合に先発した金丸は、来年の開幕を23歳で迎える。海外FA権を行使した35歳の松葉、今季は自己最多タイの11勝を挙げて復活した37歳の大野、経験豊富な39歳の涌井とベテラン陣も健在だが、中堅クラスの柳の活躍はチームのAクラス入りには欠かせない。
明大から、ドラフト会議で2球団競合の末に中日と縁が結ばれて丸9年。自らの意志で「ドラゴンズの柳」を選択して迎える来季は、プロ10年目の節目になる。自身にとっても、チームにとっても、1年後は歓喜の秋となるように全力を尽くす。
▼柳裕也(やなぎ・ゆうや) 1994年4月22日生まれ、宮崎県出身の31歳。180センチ、85キロ。右投げ右打ち。横浜高では2年春夏、3年春の甲子園に出場。明大では4年時に主将として東京六大学リーグで春秋連覇を達成し、明治神宮大会も制した。2017年にドラフト1位で中日へ入団。プロ初登板は17年5月23日のDeNA戦(横浜)。21年に最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得し、ベストナインとゴールデングラブ賞を受賞。24年には開幕投手を務めた。
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