中日・涌井秀章、神宮のマウンドで見せていた“見たことのないしぐさ”

■2025.09.12 中日スポーツ

“31打数無安打”の相手に与四球…グランドスラムを浴びる10分前に出ていた中日・涌井の「危険なシグナル」


　一挙5失点のきっかけとなった吉村への四球。3回までと4、5回のハッキリした違いは、大粒の雨が降っていたことだ。夕方には都内に記録的短時間大雨情報が発表され、雷鳴がとどろいていた。一度は上がり、試合は予定通りに始まったが、再び降りだしたのが4回。イニングが始まる前も後も、僕が見たことのない涌井のしぐさが気になった。以前に彼からこう聞いたことがあるからだ。

　「僕にとっては必要ない物。使うとしたら手首あたりにつけて、腕の汗を止めるため。なくてもいいんです」

　彼はロジンバッグを使わない投手である。リリースの瞬間に、まるで煙幕のように白煙をあげる投手もおり、日本ハム・新庄監督は自身のインスタグラムに「バッターからすると本当に気になって仕方がない」と投稿。使用量が話題になったことがある。その涌井が何度も触っていた。さすがの右腕もグリップできないのだと、僕は受け取った。4回に2四球、5回は吉村と押し出しを含む3四死球。9人で終えた3回までとは別人であった。

　「雨とかは全然関係なく、そこじゃない。結局は投手に四球を出したことが一番。ああいう結果につながった」

　吉村への四球をオスナへの被弾と同じくらい反省しつつ、雨を理由にはしなかった。だとすれば、突然の乱れの原因は何だったのか…。無関係だとしても、31打数無安打への与四球は、すぐ近くに危険が迫っているシグナルだったのだ。

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マウンドでの様子です。

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