
■2025.08.16 CBCラジオ
『若狭敬一のスポ音』

…
若狭アナ:
阪神、広島、DeNA、巨人、ヤクルトと来た、
生え抜き確率が最も低く、外様確率が最も高い球団は中日です。
内野手17人中、カリステ、中田、チェイビス、山本、板山、佐藤、ロドリゲス、
外野手11人中、ボスラー、川越、上林、後藤、細川、
なんと内外野28人中12人、外様確率は実に43%です。
阪神がたったの12%。
3人しか外様がいない中で、
中日は43%と12人も外様がいます。
やっぱり多かったです、みなさんの印象の通りです。
「このことについて若狭さんどう思いますか?」と尋ねられましたが、
私は素人です。
素人がああだこうだ言うのはどうかなと思い、
この現状をドラゴンズOBと中田宗男元スカウト部長に聞いてみました。
ドラゴンズOBは、ドラゴンズで現役生活を終えた人です。
まず、外様選手の活躍について、
それこそ細川選手もね、7月月間MVP、
上林選手も活躍している、
ボスラー選手いなかったらどうするの?
チェイビス選手も頑張っている。
山本選手も良い味出しているし、
板山選手も頑張っている。
外国人を含め外様選手の活躍については、
2人とも「素晴らしいことだ」と評価していました。
中田さんは、
中田宗男:
他球団で埋もれていた選手やクビになった選手は必死でひたむき。
また、編成の仕事として、
そういう選手を調査して獲得することは大事な仕事だし、
編成はスカウトにアマチュア時代の評価も聞きながら獲得調査を進めています。
我々もよくアドバイスをしました。
現役ドラフトでの加入ではありますが、
細川くんの高校時代の長打力は物凄かったですし、
板山くんも我々は亜細亜大学時代、バッティングを高く評価していました。
こういった形で編成の方々もスカウトの人とキャッチボールをしながら、
あの球団のあの選手、ちょっと出番なさそう、
ひょっとしたらこのまま戦力外になりそうなんだけれども、
オフに獲っていいものやらということは、
情報交換を密にしながら進めていって、とっても大事な仕事。
さらに中日は、このところ獲得したそういった他球団で埋もれていた選手が物凄く頑張ってますので、
そのチョイス自体はナイスだ。
そして外様選手が活躍してることについては素晴らしいことだ。
と絶賛しておりました。
ところが、ここからです。
「外様選手が多い現状についてはどうか?」と尋ねると、
中日ドラゴンズOBは、
ドラゴンズOB:
チームとして正直、異常事態だと思います。
と。
中田さんは、
中田宗男:
それだけ期待したドラフトで獲った若手が伸び悩んでいる証拠でしょうね。
とガッカリしていました。
じゃあ、この外様選手が多い理由について、
ここはもう2人とも同じです。
中田さんの言葉、重複しますが、
中田宗男:
若手選手の伸び悩みが理由。
と明言していました。
さらに「若手が伸び悩んでいる原因についてはどう思うか?」
中田さんは、
中田宗男:
単にバンテリンドームが広いから、
長打力のあるバッターが育ちにくかったで済ませてはいけないと思います。
なぜ若手の野手が、
特に長打力を期待して獲得した選手が伸びていないのか、徹底的に分析する必要があると思います。
確かに1997年ドーム元年に最下位になった年のオフ、
星野監督からは長打を期待しても、この球場ではダメだ。
肩と足のある選手を獲ってくれと言われ、
しばらくの間、長距離砲を敬遠していたことはあります。
でも、スカウト陣もそれではダメだと決断し、
長打の魅力のある選手を獲りにいきました。
しかし、あまり上手くいっているとは言えません。
この問題は、僕は堂上直倫までさかのぼる必要があると思います。
その後も平田、高橋周平、石川昂弥とその年で一番良いと思った高校生、
しかも長打が魅力の野手を競合覚悟で指名して獲得したのに思うような形で成長はしませんでした。
直倫、平田、周平、この3人は頑張りましたが、
守備は成長した。
ところが我々が描いていたのは、
数年後、打撃のタイトルを獲るような長距離バッターでした。
昂弥もケガがあって一皮むけていません。
と振り返りました。
この間、他球団でざっと名前を挙げるだけでも、
色々な高卒のいわゆる野手はいたんですよね。
巨人は坂本、岡本、ヤクルトは山田、村上、DeNAは筒香、
それこそ日ハムには中田翔が1位指名されました。
彼らはいわゆる長距離砲。
坂本選手はね、長距離砲というよりも、山田選手もトリプルスリー系ではありますが、
岡本、村上、筒香、中田という各選手は、
期待していたような器の大きい長距離砲に育ったということなんですよね。
これをバンテリンのせいだけにしていいのかということでした。
よくよく考えるとちょっと形は違いますが、
細川選手も長打を期待された。
狭い横浜スタジアムでは逆にね、逆に出る幕がなかった。
で、バンテリンを本拠地にする中日に来て花開き、
日本人ですよ、高卒ですよ、野手ですよ、
2年連続20本を打っているわけですよ。
だからバンテリンが広いっていうだけで、
長距離用法の日本人選手はここでは無理だというふうに短絡的に結論付けるのは果たしてどうなのかというのが中田さんの提言だったんですよね。
これに関してドラゴンズの私が取材したOBは、
ビシッと若手の伸び悩みの理由について、
中日ドラゴンズOB:
練習不足、ケガ、
このケガも自己責任です。
とキッパリでした。
中日ドラゴンズOB:
ただ、個人だけではなく、
教育システムの問題も大きいです。
一番は2軍。
2軍はもっと球団主導で育成システムを作るべきで、
コーチも最低5年くらいは同じ人がやって、
徹底的に基礎を教えるべきです。
1軍の首脳陣が変わっても2軍は変わらない、
変えないシステムが理想です。
と。
中田さんもこの意見には同調していて、
中田宗男:
今はどの球団もそれに近いシステムをとっていますよね。
私の記憶では日ハムが比較的早かったです。
大谷が良い例で、
二刀流は現場に意見を聞いた結果ではなく、球団の判断でした。
二刀流は球団の決定事項なので、
現場の監督やコーチが、
「打者1本にしろ!」「投手1本にしろ!」
「打者が向いている!」「投手が向いている!」と言っても無理だったんです、日本ハムは。
ドラゴンズも、もっと球団が率先して「この選手はこう育てる」とハッキリさせて、
現場をむしろ納得させるくらいでいいかもしれませんね。
と話しておりました。
ただ、今の井上監督の戦いについてドラゴンズのOBは、
中日ドラゴンズOB:
監督としてはクライマックスシリーズの可能性がある限り、
目の前の試合に勝つ確率の高いメンバーで戦うのは仕方ない。
そこで外様選手がスターティングラインナップに名前を連ねる。
あるいは1軍登録されるのは仕方がない。
ただ、このクライマックスシリーズ争いのヒリヒリする中で、
若手を起用してこそ経験になる。
クライマックスシリーズが無くなったあとの1軍経験は、
正直、そんなに経験にならない、
だからもっと本来は若手を起用してほしい。
と。
ここを強調しておりました。
中日ドラゴンズOB:
ただ、「そんな若手が今いるか?」と言うと疑問です。
つべこべ言わず若手は2軍で結果を出して、
周りに「何であいつを使わないんだ?」と思わせるくらいにならないといけない。
と。
そうですよね。
今もう2軍で無双状態で、
なんで?なんで?生え抜きの若手選手でこんないい選手がいるのに、
クライマックスシリーズ争いでピリピリしてるの分かるけども、
「こっち使った方がいいでしょ!」という若手が今、いますかというといない。
これが現状だと。
中日ドラゴンズOBは、そういう意味では、
中日ドラゴンズOB:
巨人には広島、
この2球団の若手野手は、
来年以降、ぐっと伸びる可能性がありますよね。
よくよくみると、今、クライマックス争いが大変なんですが、
中でもやっぱり巨人は岡本がいないとかね、
吉川がいないとか色々あるんですけども、
佐々木、泉口、門脇、中山あたりを使ってるし、
広島も佐々木とか前川とか末包とか中村奨成とか、このあたりを使っていて、
生え抜きの選手がこのヒリヒリしたところで起用されて、
経験を積んでいるので、
今年のクライマックスシリーズ争いはどうなるか分からないけれども、
来年とか再来年、数年後、
巨人や広島の若手というのは面白いですね。
と話しておりました。
さぁみなさんどう感じたでしょうか?
今日はセリーグ6球団の支配下内野手外野手の外様確率を比較してみたというお話でした。
『若狭敬一のスポ音』

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若狭アナ:
阪神、広島、DeNA、巨人、ヤクルトと来た、
生え抜き確率が最も低く、外様確率が最も高い球団は中日です。
内野手17人中、カリステ、中田、チェイビス、山本、板山、佐藤、ロドリゲス、
外野手11人中、ボスラー、川越、上林、後藤、細川、
なんと内外野28人中12人、外様確率は実に43%です。
阪神がたったの12%。
3人しか外様がいない中で、
中日は43%と12人も外様がいます。
やっぱり多かったです、みなさんの印象の通りです。
「このことについて若狭さんどう思いますか?」と尋ねられましたが、
私は素人です。
素人がああだこうだ言うのはどうかなと思い、
この現状をドラゴンズOBと中田宗男元スカウト部長に聞いてみました。
ドラゴンズOBは、ドラゴンズで現役生活を終えた人です。
まず、外様選手の活躍について、
それこそ細川選手もね、7月月間MVP、
上林選手も活躍している、
ボスラー選手いなかったらどうするの?
チェイビス選手も頑張っている。
山本選手も良い味出しているし、
板山選手も頑張っている。
外国人を含め外様選手の活躍については、
2人とも「素晴らしいことだ」と評価していました。
中田さんは、
中田宗男:
他球団で埋もれていた選手やクビになった選手は必死でひたむき。
また、編成の仕事として、
そういう選手を調査して獲得することは大事な仕事だし、
編成はスカウトにアマチュア時代の評価も聞きながら獲得調査を進めています。
我々もよくアドバイスをしました。
現役ドラフトでの加入ではありますが、
細川くんの高校時代の長打力は物凄かったですし、
板山くんも我々は亜細亜大学時代、バッティングを高く評価していました。
こういった形で編成の方々もスカウトの人とキャッチボールをしながら、
あの球団のあの選手、ちょっと出番なさそう、
ひょっとしたらこのまま戦力外になりそうなんだけれども、
オフに獲っていいものやらということは、
情報交換を密にしながら進めていって、とっても大事な仕事。
さらに中日は、このところ獲得したそういった他球団で埋もれていた選手が物凄く頑張ってますので、
そのチョイス自体はナイスだ。
そして外様選手が活躍してることについては素晴らしいことだ。
と絶賛しておりました。
ところが、ここからです。
「外様選手が多い現状についてはどうか?」と尋ねると、
中日ドラゴンズOBは、
ドラゴンズOB:
チームとして正直、異常事態だと思います。
と。
中田さんは、
中田宗男:
それだけ期待したドラフトで獲った若手が伸び悩んでいる証拠でしょうね。
とガッカリしていました。
じゃあ、この外様選手が多い理由について、
ここはもう2人とも同じです。
中田さんの言葉、重複しますが、
中田宗男:
若手選手の伸び悩みが理由。
と明言していました。
さらに「若手が伸び悩んでいる原因についてはどう思うか?」
中田さんは、
中田宗男:
単にバンテリンドームが広いから、
長打力のあるバッターが育ちにくかったで済ませてはいけないと思います。
なぜ若手の野手が、
特に長打力を期待して獲得した選手が伸びていないのか、徹底的に分析する必要があると思います。
確かに1997年ドーム元年に最下位になった年のオフ、
星野監督からは長打を期待しても、この球場ではダメだ。
肩と足のある選手を獲ってくれと言われ、
しばらくの間、長距離砲を敬遠していたことはあります。
でも、スカウト陣もそれではダメだと決断し、
長打の魅力のある選手を獲りにいきました。
しかし、あまり上手くいっているとは言えません。
この問題は、僕は堂上直倫までさかのぼる必要があると思います。
その後も平田、高橋周平、石川昂弥とその年で一番良いと思った高校生、
しかも長打が魅力の野手を競合覚悟で指名して獲得したのに思うような形で成長はしませんでした。
直倫、平田、周平、この3人は頑張りましたが、
守備は成長した。
ところが我々が描いていたのは、
数年後、打撃のタイトルを獲るような長距離バッターでした。
昂弥もケガがあって一皮むけていません。
と振り返りました。
この間、他球団でざっと名前を挙げるだけでも、
色々な高卒のいわゆる野手はいたんですよね。
巨人は坂本、岡本、ヤクルトは山田、村上、DeNAは筒香、
それこそ日ハムには中田翔が1位指名されました。
彼らはいわゆる長距離砲。
坂本選手はね、長距離砲というよりも、山田選手もトリプルスリー系ではありますが、
岡本、村上、筒香、中田という各選手は、
期待していたような器の大きい長距離砲に育ったということなんですよね。
これをバンテリンのせいだけにしていいのかということでした。
よくよく考えるとちょっと形は違いますが、
細川選手も長打を期待された。
狭い横浜スタジアムでは逆にね、逆に出る幕がなかった。
で、バンテリンを本拠地にする中日に来て花開き、
日本人ですよ、高卒ですよ、野手ですよ、
2年連続20本を打っているわけですよ。
だからバンテリンが広いっていうだけで、
長距離用法の日本人選手はここでは無理だというふうに短絡的に結論付けるのは果たしてどうなのかというのが中田さんの提言だったんですよね。
これに関してドラゴンズの私が取材したOBは、
ビシッと若手の伸び悩みの理由について、
中日ドラゴンズOB:
練習不足、ケガ、
このケガも自己責任です。
とキッパリでした。
中日ドラゴンズOB:
ただ、個人だけではなく、
教育システムの問題も大きいです。
一番は2軍。
2軍はもっと球団主導で育成システムを作るべきで、
コーチも最低5年くらいは同じ人がやって、
徹底的に基礎を教えるべきです。
1軍の首脳陣が変わっても2軍は変わらない、
変えないシステムが理想です。
と。
中田さんもこの意見には同調していて、
中田宗男:
今はどの球団もそれに近いシステムをとっていますよね。
私の記憶では日ハムが比較的早かったです。
大谷が良い例で、
二刀流は現場に意見を聞いた結果ではなく、球団の判断でした。
二刀流は球団の決定事項なので、
現場の監督やコーチが、
「打者1本にしろ!」「投手1本にしろ!」
「打者が向いている!」「投手が向いている!」と言っても無理だったんです、日本ハムは。
ドラゴンズも、もっと球団が率先して「この選手はこう育てる」とハッキリさせて、
現場をむしろ納得させるくらいでいいかもしれませんね。
と話しておりました。
ただ、今の井上監督の戦いについてドラゴンズのOBは、
中日ドラゴンズOB:
監督としてはクライマックスシリーズの可能性がある限り、
目の前の試合に勝つ確率の高いメンバーで戦うのは仕方ない。
そこで外様選手がスターティングラインナップに名前を連ねる。
あるいは1軍登録されるのは仕方がない。
ただ、このクライマックスシリーズ争いのヒリヒリする中で、
若手を起用してこそ経験になる。
クライマックスシリーズが無くなったあとの1軍経験は、
正直、そんなに経験にならない、
だからもっと本来は若手を起用してほしい。
と。
ここを強調しておりました。
中日ドラゴンズOB:
ただ、「そんな若手が今いるか?」と言うと疑問です。
つべこべ言わず若手は2軍で結果を出して、
周りに「何であいつを使わないんだ?」と思わせるくらいにならないといけない。
と。
そうですよね。
今もう2軍で無双状態で、
なんで?なんで?生え抜きの若手選手でこんないい選手がいるのに、
クライマックスシリーズ争いでピリピリしてるの分かるけども、
「こっち使った方がいいでしょ!」という若手が今、いますかというといない。
これが現状だと。
中日ドラゴンズOBは、そういう意味では、
中日ドラゴンズOB:
巨人には広島、
この2球団の若手野手は、
来年以降、ぐっと伸びる可能性がありますよね。
よくよくみると、今、クライマックス争いが大変なんですが、
中でもやっぱり巨人は岡本がいないとかね、
吉川がいないとか色々あるんですけども、
佐々木、泉口、門脇、中山あたりを使ってるし、
広島も佐々木とか前川とか末包とか中村奨成とか、このあたりを使っていて、
生え抜きの選手がこのヒリヒリしたところで起用されて、
経験を積んでいるので、
今年のクライマックスシリーズ争いはどうなるか分からないけれども、
来年とか再来年、数年後、
巨人や広島の若手というのは面白いですね。
と話しておりました。
さぁみなさんどう感じたでしょうか?
今日はセリーグ6球団の支配下内野手外野手の外様確率を比較してみたというお話でした。
「B班は今年のクビ候補選手」「C班は心技体をじっくり鍛え上げる段階の選手」「多少の好不調があってもA班の選手は試合に出していきますよ」 中日・落合英二2軍監督が明かしたファームの“実質3軍制クラス分け”
中日・落合英二2軍監督と朝田憲祐球団本部長がファーム改革中「僕がいなくなっても…」
ドラゴンズの現状について言及です。