中日・高橋宏斗の“20cmと2mmの決断”

■2025.08.03 中日スポーツ

以降29イニングで2失点…中日・高橋宏が明確に変わった日 真っ直ぐの強さ求めた“20cmと2mmの決断”が結実


　約20センチ。投球時の歩幅を短くした。「（福島で）マウンドの状態が極端だったので、極端にやってみたんです。半足分。最も広かった時と比べれば、1足分縮めてます」

　勝てない苦しみの中で、試行錯誤を繰り返した。誰もが適応に苦労する地方球場独特のマウンドが、変化の後押しとなった。歩幅を5・5足にしてから、彼の生命線であるストレートは強さを取り戻した。今でも軌道を覚えている。ピンチで吉川を見逃し三振に打ち取った150キロは、彼らしいストレートだった。

　その強さを求めた彼の決断が、ようやく実を結んだ。春先のこと。スパイクの8本の歯のうち、つま先の1本を抜き取った。さらに残り7本も2ミリ短く削った。「踏み込んだ時、土に刺さる感覚がほしかったので」。ストレートのための改良だったのに、そのストレートが強くならないもどかしさ。歩幅を縮めたことで、スパイクも刺さり始めたのかもしれない。

　大切なのは球速や三振の数ではない。打者の反応を見ていればわかる。突っ立って投げているようにも見えるが、ファウルの数が物語る。恐らく打者が嫌がる角度がついたのだ。その裏には20センチと2ミリ。変化を恐れない彼の勇気がある。

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Q.今年、鍵を握るピッチャーは誰ですか？ → 中日・大野雄大「そんなの宏斗と金丸に決まってるじゃないですか。今の中日はあの2人ですよ」

高橋宏斗投手が明かしました。

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