中日・柳裕也とドラフト4位・石伊雄太が“絆を強めた1球”

■2025.07.16 中日スポーツ

サインは想定外の球種…中日・柳が新人捕手・石伊との絆を深めた“自信の配球” 復帰戦でも2人の強さ際立つ


　2人がバッテリーを組むのは4月16日の広島戦（マツダ）以来。7イニング無失点で今季初勝利を飾ったこの試合で、柳と新人捕手が絆を強めた1球がある。

　「僕は『え？』って思ったんですよ。だってそれまでに投げてなかったボールだったから」

　目を丸くして話してくれた柳の言葉を聞いてから、僕は速報サイトの配球画像を保存している。2回、1死二塁。打者は6番・田村だった。カーブ（見逃し）とフォーク（空振り）で追い込んだが、3球目のフォーク、4球目のスライダーには田村のバットは動かなかった。当時の田村は打率が3割台半ばと危険な打者だった。どうする5球目？ 柳は捕手任せではなく、自らの配球にも自負がある。石伊が求めたのは、その柳が想定していなかった球種。チェンジアップに驚きつつもうなずいた。

　「でもね、石伊のサインからは自信が伝わってきたんです。投手って捕手が迷っていたら、指先の動きからわかるもんなんですよ。だから僕も迷いなく投げきることができたんです」

　柳が腕を振った121キロに、田村のバットは空を切った。後日、石伊にも確かめたが、それまでの4球の反応から「チェンジアップは振ってくる」という自信はあったようだ。

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