中日・細川成也「えっ、僕にも補殺がつくんですか」

■2024.04.08 中日スポーツ

落ちてきた“赤いメガホン”は気づかず…中日・細川が陸上部仕込みの強肩で『神捕殺』同点危機救った決死の中継


　8回。勝野のフォークに代打の切り札・松山が食らい付き、左翼線に落とした。フェンス際のクッションを抑えた細川、カットした高橋周、待ち受ける加藤匠。流れるようなプレーで、代走・羽月のヘッドスライディングを制した。広島のリクエストもアウトの判定は覆らなかった。

　「僕は周平さんに投げただけ。とにかく低く、強い球を投げようとした結果です」。細川は言った。「100％のところに投げられた」と高橋周は胸を張り、加藤匠は「タッチしやすいところに周平が投げてくれた」と仲間をたたえた。捕球、送球、タッチ。どこかにわずかなロスがあっただけで、3試合連続完封はついえていたのは間違いない。

　「えっ、僕にも補殺がつくんですか」と細川は目を丸くしていたが、彼の肩は中学時代に所属した陸上部で鍛えられた。野球は硬式のクラブチーム。「寄せ集め」だったという陸上部の顧問から「平日は暇だろ？」と声を掛けられた。勧められるままに取り組んだジャベリックスローで細川は茨城県1位になる。神奈川県で開催されたジュニアオリンピックには楽天・藤平や日本ハム・五十幡も出場していた。77・42メートルの中学生新記録で、2位に輝いている。

　「野球に深く生きたかどうかはわからないですが、肩は強くなったと思います」

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