■2023.10.25 Number Web
「もし僕がいま中日で現役選手だったら…」元中日監督・谷繁元信に聞く、“2年連続最下位”立浪中日と岡田阪神は何が違う?「来季優勝は“ある”」(谷繁元信)#プロ野球 #npb #ドラフト #中日ドラゴンズ #dragons #阪神タイガース #NumberWeb https://t.co/wXoCCKD4qC
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■2023.10.25 Number Web
「もし僕がいま中日で現役選手だったら…」元中日監督・谷繁元信に聞く、“2年連続最下位”立浪中日と岡田阪神は何が違う?「来季優勝は“ある”」
「直近2年の中日は“どっちつかず”」
一方で、2年連続最下位に沈んでしまったのが中日です。ここではあくまでも自分の目に映った範囲で、中日の“課題”について話をさせてもらいます。
まずは投手陣について。終わったあとのシーズン防御率だけを見ればそれほど悪くないように見えるかもしれませんが、防御率2点台の柳裕也(4勝11敗)にしても高橋宏斗(7勝11敗)にしても、勝ち星がついてきていない。
防御率というのは難しいもので、中日の場合は投高打低のバンテリンドームでの数字と他の球場での成績がどう違うのか、冷静に見比べてみる必要があります。当然ですが、点が入りにくいのは味方にとっても同じです。球場のおかげで防御率の見栄えがよくても、イコール「勝てる投手」というわけではない。
加えて長いリーグ戦で勝率を上げていくためには、自分たちの戦力を分析して「チームとしてどう勝ち切るのか」というプランを立てなければいけません。1点を守り切る野球を目指すのか、あるいは2、3点取られても返していけるような野球を目指すのか。直近2年の中日の場合は、“どっちつかず”だった印象を受けます。ホーム球場の特性を踏まえて投手力や守備力で勝負するにせよ、打撃力や機動力を上げるにせよ、チームとしての方向性が曖昧で、見えてこないというのは苦しいところです。
シーズン成績は阪神の555得点(424失点)に対して、中日は390得点(498失点)ですか。野球は点を取らなければ勝てないスポーツですし、先発投手陣がこれだけ負け越しているわけですから、この結果では“貧打”と見なされるのは仕方のないことです。ただ、点が取れないことも問題ですが、はっきり言って投手陣も含めてすべてのレベルを上げないと、勝てるチームにはならない。2年連続の最下位という成績は、それほど重たい現実です。
「もし僕がいま中日で現役だったら…」
では、中日が来季Aクラスに入る可能性や、優勝する可能性はあるのか。そう聞かれたら、僕は「ある」と答えます。
どれだけ下馬評が低くても、選手が急激に力をつけることもあるし、新戦力がハマることもある。こればかりはやってみないとわからないんですよ。近年はヤクルトだって2年連続の最下位から優勝していますから。選手たちがこの悔しさを糧にどれくらい伸びていけるか。そこにすべてがかかっていると思います。
仮に僕がいまの中日で現役の選手だったとしたら、歯を食いしばって、勝つために必要なことはなんでもやります。自分の力が足りていないなら、とにかく練習するしかない。僕の場合はキャッチャーなので、技術的なことだけではなく、データや戦術も役に立つと思ったものは可能なかぎり取り入れてみるでしょうね。
今季の中日は首脳陣やフロントに対して批判的な報道もいろいろとありましたけど、結局のところ、負けているからメディアにも叩かれるわけです。チームの状態がどうであっても、勝っていればそんな話は出てこない。プロの世界において、勝ち負けというのはそれくらい絶対的なものです。
ドラフトや移籍による戦力の整備ももちろん必要ですが、個々の選手が「最下位」という現実を受け入れて、どれくらい自分に矢印を向けて努力できるか。このオフから来季にかけては、そこにも注目していきたいと思います。
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