■2021.03.20 CBCラジオ
『若狭敬一のスポ音』
若狭敬一のスポ音 | CBCラジオ | 2021/03/20/土 12:20-14:00
(※冒頭部分)
…
若狭アナ:
今日のお便りのテーマは「感謝」。
人間というのは少なからず成長する生き物。
ただ、中でも大きく成長する時というのは必ず何かきっかけ、原点があって、
そのきっかけ、原点には必ずお世話になった人がいて、
その人への感謝は尽きないなぁというお話をさせて頂きます。
吉見一起さんがCBCテレビのYouTube「燃えドラch」の中で浅尾拓也2軍ピッチングコーチとトークしている動画があるんですが、
そこで谷繁元信さんについて話しておりました。
吉見さんは、
吉見:
プロ野球の世界で勝てるようになったのは、勝つきっかけを与えてくれたのは谷繁さんです。
谷繁さんのおかげで勝てるピッチャーになった。
大変感謝している
というお話をしておりました。
色々と谷繁さんのエピソードがあって印象深いものがありました。
現役時代の谷繁さんは試合前のバッテリーミーティングでスコアラーさんが用意した映像を一切見なかったそうです。
その代わり、じっと手元の資料を読み込んで何か文字をびっしり紙に書いていたそうなんです。
吉見さん聞きました。
吉見:
谷繁さん、なぜ映像を見ないんですか?
谷繁:
参考にならないから。
吉見:
じゃあ何を書いているんですか?
谷繁:
今日の先発ピッチャーが吉見なら、
相手打線を吉見でどう抑えるか自分なりの対策を書いているんだ。
と答えました。
言わば当時の中日ドラゴンズの扇の要として活躍していた大ベテランの谷繁元信という選手はスコアラーを超えていたんですね。
これ私も収録にも立ち会いました。
吉見さんの話にも驚きましたし、浅尾さんも「やっぱり谷繁さん凄いなぁ」という話をしておりましたし、
私も「やっぱり日本で1番プロ野球の試合に出ている人ですから凄いなぁ!」と思いました。
後日、私が気になったのは、そんな谷繁さんはどういうプロセスでその境地に達したのか?
言わばスコアラーを超えるくらいまでの境地にどうやって達したのか?
「ローマは1日にしてならず」です。
谷繁元信もきっと1日にしてならずだと思って、必ず谷繁さんにも成長の原点、きっかけがあるはずだ、
本人に聞くことが出来ました。
すると2回驚きました、私ね。
まず驚いたのは横浜ベイスターズ時代の試合前ミーティングの話だったんですが、
1990年代の後半、マシンガン打線で優勝したのが1998年です。
そのころの横浜というのは試合前のバッテリーミーティング、
相手打線を抑える対策をピッチャー陣にレクチャーしていたのはスコアラーではなくて、その日スタメンマスクを被るキャッチャー自身が行っていたそうなんです。
つまり谷繁さん自身が毎日毎日、膨大な資料を読み込んで相手を分析してピッチャー陣に指示していたんです。
だから中日に来る前に既に谷繁さんはスコアラーの仕事をしていたんですね。
これには驚きましたねぇ!
では「そのスコアラーの仕事が上手くできるようになったきっかけはあるのか?」というのも谷繁さんに聞きました。
またここで驚きましたよ。
谷繁:
きっかけ、ありますよ。
僕の原点は全球記憶です。
全てのボールを記憶すること。
1試合、プレイボールからゲームセットまで大体150球から180球くらいピッチャーは投げる、
これを全部覚えるんです。
この全球記憶ができて初めてバッターの傾向とかピッチャーとの相性とか、
次の対戦する時の対策を分析できる。
資料も大切だけれども全球記憶がベースにないと独自のアレンジはできないんだ。
藤井聡太くんですよ、言わば。
将棋の棋士は大体、私も調べると将棋というのは1手から投了まで100手から120~130手かかるそうなんですが、平均して。
だからちょっと将棋の棋士が指す手よりも多いものを全部覚えるんです。
「こんなことできるのか」と聞きましたら、
谷繁:
1人できっちり覚えられるまで3年かかった。
と言っておりました。
じゃあどうやって覚えたかですよ、この全球記憶。
ここで谷繁元信という偉大なキャッチャーの原点に関わった人物が登場したんですね。
谷繁:
大矢さんです。
と教えてくれました。
ヤクルトでキャッチャーとして活躍して横浜の監督も務められた大矢明彦さん。
谷繁:
僕がまだ若かった頃ですね。
大矢さんと2人で毎日、試合後に答え合わせをしていたんです。
大矢さんは球種とコースが書かれたチャート表を手に持っている、僕は何も持っていない。
2人で部屋にこもって…
大矢:
谷繁、いくぞ。
プレーボール初球は何だ?
谷繁
アウトコースのストレート、ストライクです。
大矢:
正解。
2球目は?
谷繁:
カーブ、低めボールです。
大矢:
正解。
3球目は?
谷繁:
内角、シュート、ファウルです。
大矢:
正解。
これ最後の最後、ゲームセットまでやるんです!
谷繁:
大矢さんがいなかったら、今の僕は無いし、
あんなに試合に出られていないし勝てなかった。
あそこまで親身になって付き合ってくれたコーチは後にも先にもいなかった。
僕の恩人です。
と話してくれました。
人が大きく成長する時には必ず誰かの影響を受けている、そんな恩人がいる、その人への感謝は尽きない。
3月です、卒業シーズンです。
みなさんにも自分を成長させてくれた恩師、恩人いるんじゃないかなと思います。
本当に小学校、中学校、高校、大学を卒業する学生のみなさんも聴いていると思います。
一方で社会人、仕事でもプライベートでも感謝が尽きない人はいらっしゃると思います。
CBCラジオ「若狭敬一のスポ音」、今日のお便りのテーマは「感謝」です。
…
若狭敬一のスポ音 | CBCラジオ | 2021/03/20/土 12:20-14:00
(※冒頭部分)
『若狭敬一のスポ音』
若狭敬一のスポ音 | CBCラジオ | 2021/03/20/土 12:20-14:00
(※冒頭部分)
12時20分からは「スポ音」をお聞きください。お便りのテーマは「感謝」です。大野雄大投手のサイン入り公約ボードを1名様にプレゼントします。15時台のゲストは里崎智也さん。ついに名古屋のメディアに出演です。ドラゴンズ情報は江田亮アナが担当。お楽しみに! #スポ音 pic.twitter.com/EROlZ3g2T0
— 若狭敬一のスポ音 (@cbcspoon1053) March 20, 2021
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若狭アナ:
今日のお便りのテーマは「感謝」。
人間というのは少なからず成長する生き物。
ただ、中でも大きく成長する時というのは必ず何かきっかけ、原点があって、
そのきっかけ、原点には必ずお世話になった人がいて、
その人への感謝は尽きないなぁというお話をさせて頂きます。
吉見一起さんがCBCテレビのYouTube「燃えドラch」の中で浅尾拓也2軍ピッチングコーチとトークしている動画があるんですが、
そこで谷繁元信さんについて話しておりました。
吉見さんは、
吉見:
プロ野球の世界で勝てるようになったのは、勝つきっかけを与えてくれたのは谷繁さんです。
谷繁さんのおかげで勝てるピッチャーになった。
大変感謝している
というお話をしておりました。
色々と谷繁さんのエピソードがあって印象深いものがありました。
現役時代の谷繁さんは試合前のバッテリーミーティングでスコアラーさんが用意した映像を一切見なかったそうです。
その代わり、じっと手元の資料を読み込んで何か文字をびっしり紙に書いていたそうなんです。
吉見さん聞きました。
吉見:
谷繁さん、なぜ映像を見ないんですか?
谷繁:
参考にならないから。
吉見:
じゃあ何を書いているんですか?
谷繁:
今日の先発ピッチャーが吉見なら、
相手打線を吉見でどう抑えるか自分なりの対策を書いているんだ。
と答えました。
言わば当時の中日ドラゴンズの扇の要として活躍していた大ベテランの谷繁元信という選手はスコアラーを超えていたんですね。
これ私も収録にも立ち会いました。
吉見さんの話にも驚きましたし、浅尾さんも「やっぱり谷繁さん凄いなぁ」という話をしておりましたし、
私も「やっぱり日本で1番プロ野球の試合に出ている人ですから凄いなぁ!」と思いました。
後日、私が気になったのは、そんな谷繁さんはどういうプロセスでその境地に達したのか?
言わばスコアラーを超えるくらいまでの境地にどうやって達したのか?
「ローマは1日にしてならず」です。
谷繁元信もきっと1日にしてならずだと思って、必ず谷繁さんにも成長の原点、きっかけがあるはずだ、
本人に聞くことが出来ました。
すると2回驚きました、私ね。
まず驚いたのは横浜ベイスターズ時代の試合前ミーティングの話だったんですが、
1990年代の後半、マシンガン打線で優勝したのが1998年です。
そのころの横浜というのは試合前のバッテリーミーティング、
相手打線を抑える対策をピッチャー陣にレクチャーしていたのはスコアラーではなくて、その日スタメンマスクを被るキャッチャー自身が行っていたそうなんです。
つまり谷繁さん自身が毎日毎日、膨大な資料を読み込んで相手を分析してピッチャー陣に指示していたんです。
だから中日に来る前に既に谷繁さんはスコアラーの仕事をしていたんですね。
これには驚きましたねぇ!
では「そのスコアラーの仕事が上手くできるようになったきっかけはあるのか?」というのも谷繁さんに聞きました。
またここで驚きましたよ。
谷繁:
きっかけ、ありますよ。
僕の原点は全球記憶です。
全てのボールを記憶すること。
1試合、プレイボールからゲームセットまで大体150球から180球くらいピッチャーは投げる、
これを全部覚えるんです。
この全球記憶ができて初めてバッターの傾向とかピッチャーとの相性とか、
次の対戦する時の対策を分析できる。
資料も大切だけれども全球記憶がベースにないと独自のアレンジはできないんだ。
藤井聡太くんですよ、言わば。
将棋の棋士は大体、私も調べると将棋というのは1手から投了まで100手から120~130手かかるそうなんですが、平均して。
だからちょっと将棋の棋士が指す手よりも多いものを全部覚えるんです。
「こんなことできるのか」と聞きましたら、
谷繁:
1人できっちり覚えられるまで3年かかった。
と言っておりました。
じゃあどうやって覚えたかですよ、この全球記憶。
ここで谷繁元信という偉大なキャッチャーの原点に関わった人物が登場したんですね。
谷繁:
大矢さんです。
と教えてくれました。
ヤクルトでキャッチャーとして活躍して横浜の監督も務められた大矢明彦さん。
谷繁:
僕がまだ若かった頃ですね。
大矢さんと2人で毎日、試合後に答え合わせをしていたんです。
大矢さんは球種とコースが書かれたチャート表を手に持っている、僕は何も持っていない。
2人で部屋にこもって…
大矢:
谷繁、いくぞ。
プレーボール初球は何だ?
谷繁
アウトコースのストレート、ストライクです。
大矢:
正解。
2球目は?
谷繁:
カーブ、低めボールです。
大矢:
正解。
3球目は?
谷繁:
内角、シュート、ファウルです。
大矢:
正解。
これ最後の最後、ゲームセットまでやるんです!
谷繁:
大矢さんがいなかったら、今の僕は無いし、
あんなに試合に出られていないし勝てなかった。
あそこまで親身になって付き合ってくれたコーチは後にも先にもいなかった。
僕の恩人です。
と話してくれました。
人が大きく成長する時には必ず誰かの影響を受けている、そんな恩人がいる、その人への感謝は尽きない。
3月です、卒業シーズンです。
みなさんにも自分を成長させてくれた恩師、恩人いるんじゃないかなと思います。
本当に小学校、中学校、高校、大学を卒業する学生のみなさんも聴いていると思います。
一方で社会人、仕事でもプライベートでも感謝が尽きない人はいらっしゃると思います。
CBCラジオ「若狭敬一のスポ音」、今日のお便りのテーマは「感謝」です。
…
若狭敬一のスポ音 | CBCラジオ | 2021/03/20/土 12:20-14:00
(※冒頭部分)
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谷繁元信さん「大野の成長を止めてしまったことを申し訳なく思っている」 『大野×千賀ノーヒッター快談』で贈られた中日・大野雄大投手へのメッセージ
素敵なエピソードですねぇ。