■2026.04.21 スポーツナビ
「塩まいて帰らせ!」
— スポーツナビ 野球編集部 (@sn_baseball_jp) April 21, 2026
高校野球の名将を激怒させた、1位指名を巡る紆余曲折
元中日スカウトが明かすドラフト秘話
スカウトが振り返る、あの年のドラフト指名https://t.co/Hi4RxfnvaE#npb #プロ野球 https://t.co/2M3MdInSoe
■2026.04.21 スポーツナビ
「塩まいて帰らせ!」高校野球の名将を激怒させた、1位指名を巡る紆余曲折 元中日スカウトが明かすドラフト秘話
山口に断られて方向転換を迫られた中日は、中途半端な即戦力投手で行くなら活きの良い高校生投手でいこうと、國學院久我山の大型左腕・河内貴哉(広島1位)に狙いを定めました。私の担当ではありませんでしたが、クロスチェックで観たときは走っている姿が美しくて身体能力も高い良いピッチャーだと思いました。このとき、同じ高校生投手には地元の東邦に朝倉健太がいました。朝倉は私の担当でもちろん何度も学校に足を運んでいましたし、高く評価もしていました。チームメイトには阪神に3位指名される岡本浩二という大型ピッチャーもいたのですが、私が評価したのは断然朝倉です。ですが、高校野球の名将・阪口慶三監督の評価は逆でした。「近藤君は見る目がないね。プロで活躍するなら岡本だよ」
「そうかな?」と思った怖い物知らずの私は、「阪口先生、失礼かもしれませんが」と断ってこう言ってしまいました。「こんなに厳しい練習をしている東邦で、こんなに太っている選手を私は初めて見ました」。朝倉は体がビシッと引き締まったピッチャーらしい体型をしているのに対して、当時の岡本はちょっとぽちゃっとしていたんです。阪口監督はブスッとされて気まずい空気になってしまいましたけど(笑)。
河内の1位指名が決まっていましたが、同じ高校生投手なら地元には朝倉がいるわけです。イチローを獲り逃して以来、地元を重視してきた球団ですから「朝倉を1位でいこう!」となってもおかしくはありません。ですがこのときは、朝倉は1位候補にも挙がっていませんでした。「とある事情」によって指名しないことが決まっていたのです。詳しいことは書けませんが、朝倉サイドには何の問題もなく、球団の都合によってそう決まっていました。阪口監督は早くから「朝倉は地元の中日にしか行かせない! 中日以外に指名された場合は新日鉄名古屋に行かせる」という方針だったとも聞いていましたから、無視したままドラフトを迎えるわけにもいきません。私は重い気持ちを引きずりながら中田さんと2人で阪口監督に指名しないことをお詫びに行きました。阪口監督も我々2人が来ると聞いたときは「1位でいきます」というあいさつだと思ったはずです。それが思いもよらず「お断り」されたのですから、そりゃあもう大激怒です。「塩まいて帰らせ!」と言われ、それからは会ってももらえませんでした。担当スカウトとしては朝倉を獲りたい。でも球団の方針で指名ができない。私自身も非常に心苦しいところがありました。
朝倉1位の紆余曲折
「朝倉君を獲りなさい!」球団社長がそう言ったのはドラフト前日のことでした。でも1位は河内ですでに決まっていますから今更変えられません。それで「河内を外した場合は朝倉」という方針が土壇場で決まりました。朝倉は元々指名予定がなかったのですから本人サイドに調査書を書いてもらっていません。担当は私ですから、ドラフト前日だというのに慌てて情報を集めて徹夜で調査書を作りました。あの年ほど眠気と闘いながら迎えたドラフト会議もなかったですね(笑)。
1位の河内は広島、近鉄と競合して外し、中日は予定通り外れ1位で朝倉を指名。朝倉を獲れたことは嬉しかったですけど、指名あいさつでまた阪口監督のもとに行くのが憂鬱で仕方なかったですね。でも「外れ」とはいえ1位だったからまだ良かった。「4位指名になったらどの面下げてあいさつに行ったらいいんだろう……」って、ドラフト会場のホテルで頭を抱えていましたから(笑)。指名あいさつのときは阪口監督はまだ怒っていて会ってもらえず。対応してくださったのが当時部長で、後に監督として石川昂弥を擁してセンバツ優勝を成し遂げる森田泰弘先生(現東邦高校総監督/東邦大学監督)でした。紆余曲折ありましたが、朝倉は無事中日に入団。怪我と闘いながらの現役生活でしたが二桁勝利を四度記録し、引退後もコーチとして、編成として、長く中日を支えてくれています。
記事全文を読む
元中日スカウト・近藤真市さんの“忘れられない大失態”
元中日スカウト・近藤真市さんが明かした、現役引退後に中日スカウトに就任した経緯
当時のことを明かしました。












