■20210.01.23 CBCラジオ
『若狭敬一のスポ音』
…
若狭アナ:
今日のお便りのテーマは「ますます」。
ますます期待が高まる、ますます自分に腹が立つ、何でも結構です。
私、ますます惜しいなぁということがありました。
この前の日曜日、CBCテレビ「サンデードラゴンズ」に最優秀中継ぎ投手賞を受賞した福敬登投手がスタジオ生出演してくれました。
本番も物凄く楽しかったんですが、
またしても惜しいことに本番後に良い話を聞いたんですよね(笑)
本番で活かせない、ますます惜しいなと思いました。
どんな話か、
「Q.去年、一番反省した試合はどの試合でしたか?」
10月27日 甲子園球場 阪神vs.中日 22回戦、
1-1の同点で迎えた8回裏、先発・福谷投手の次、2番手として福投手がマウンドに上がり、
自らの2つのエラーを含め、3失点で2つアウトを取ってランナーを残して、
3番手の又吉投手にスイッチした、ノックアウトという試合でした。
この試合を壊してしまった、負け投手が福投手になったので、
福:
チームに申し訳ないということも反省していますし、
ここからドラゴンズが6連敗になったということで深く反省しているんですが、
何よりもですね、
ルールを破ってしまったんです。
えっ? どんなルールか?
ドラゴンズには、明文化はされていません、暗黙のルールなんですが、
「どれだけ打たれても次のピッチャーが投げ終わるまではベンチで見守る」
チームで戦っていますから、
その結束、和を乱してはいけないということで、
どれだけ打たれて悔しかろうが次のピッチャーが投げ終わるまでベンチで見なければならないというルールがあったんですが、これを破ったんです。
とにかく悔しさ、自分への怒り、いらだち、そしてタイガースファンの心無いヤジ、
色々なものが相まって頭がパニック状態になって、
3塁側のベンチありますよね、
私も行ったことがあるので分かるんですが細長いです、ベンチ、
ホーム側に監督やコーチが居て、
レフト側の隅っこに大体打たれたピッチャーがいるものなんですが、そこに階段があるんですよ。
10段くらい降りる階段、
そして階段降りた先には控えの野手が代打に備えて素振りをするスイングルームというのがあって、
そこを通過すると選手個々のロッカーがあるんです。
福投手、その日ベンチで腰掛けて又吉投手のピッチングを見ることなく、そのまま階段を降りちゃったんですね。
スイングルームを抜けちゃったんですね、ロッカーまで行っちゃったんですよ。
すると、
とある選手:
福~!
福~!
と呼ぶ声が聞こえる。
そこでやっと我に返ったんです。
福:
あっ!?
俺、ロッカーにいる!?
うわっ、しまった!!!
その声は福を呼び止めた声はスイングルームから聞こえたんです。
慌ててロッカーからそのスイングルームの所に行く、福を呼ぶ止めた選手の所へ行きます。
すると、
とある選手:
福、
又吉が投げている、
見なきゃいけないだろう。
又吉のピッチングを見るのもお前の仕事だ。
そう言ってくれたそうです。
福:
申し訳ありませんっ!!!
ここからです。
「早くベンチ戻れ!」じゃなくて、
とある選手:
早くベンチに戻ろう。
と言ってくれたんです。
その選手は福の背中をポンポンと叩きながら、
何と一緒に階段を登って、
一緒に3塁側のベンチに座ってくれて、
一緒に又吉投手のピッチングを見守ってくれたんです。
大反省、福投手。
福:
何てことを自分はしたんだ…。
ルールを破ったのも悪い…。
その選手に気を使わせたことも悪い…。
なかなか言いにくいことを言ってくれた…。
そして自分の素振りの手を止めて自分に付き合ってくれた…。
大変申し訳無い…。
もう我に返っていますから、
横にいるその選手に謝ろうとした瞬間、もうその選手はいなかったんです。
その選手は福投手が我に返ってちゃんと戦況を見つめているのを見届けて、
スッとまた自分の素振りに戻ったんです。
どうでしょう? わずか2,3分の出来事。
確かに自分の準備を続けることも大事なんだけれども、
それよりもきっとその選手は、手を止めて福を呼び止めて、注意してベンチに一緒に戻ることを優先した。
その方がこれから大事な大事なペナントレース、
クライマックスに向かう中でチームの和を乱してはいけないということを優先したんです。
福投手、
翌日、その選手に深々と頭を下げました。
福:
昨日は大変申し訳ありませんでした…!!!
するとその選手は、
とある選手:
えぇっ?(笑)
何の話?(笑)
笑顔だったそうです。
また背中を叩いてくれたそうです。
とある選手:
気持ちは分かるよ。
うん。
切り替えて!
今日も頑張って!
そう言ってくれたそうです。
私はこの話を聞いて、ますますドラゴンズが好きになりました!
素晴らしいチームです!
ちなみに福投手を呼び止めたその選手の名前は「堂上直倫」と言うそうです。
『若狭敬一のスポ音』
12時20分からは「スポ音」をお聞きください。今日のテーマは「ますます」です。「ますます期待が高まる」「ますます腹が立つ」など何でもOK!今日もゲストが盛り沢山です。15時台には中日ドラゴンズ浅尾拓也二軍投手コーチが生出演。浅尾コーチのサイン色紙を3名様にプレゼントします! #スポ音 pic.twitter.com/QdTEvppZwV
— 若狭敬一のスポ音 (@cbcspoon1053) January 23, 2021
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若狭アナ:
今日のお便りのテーマは「ますます」。
ますます期待が高まる、ますます自分に腹が立つ、何でも結構です。
私、ますます惜しいなぁということがありました。
この前の日曜日、CBCテレビ「サンデードラゴンズ」に最優秀中継ぎ投手賞を受賞した福敬登投手がスタジオ生出演してくれました。
本番も物凄く楽しかったんですが、
またしても惜しいことに本番後に良い話を聞いたんですよね(笑)
本番で活かせない、ますます惜しいなと思いました。
どんな話か、
「Q.去年、一番反省した試合はどの試合でしたか?」
10月27日 甲子園球場 阪神vs.中日 22回戦、
1-1の同点で迎えた8回裏、先発・福谷投手の次、2番手として福投手がマウンドに上がり、
自らの2つのエラーを含め、3失点で2つアウトを取ってランナーを残して、
3番手の又吉投手にスイッチした、ノックアウトという試合でした。
この試合を壊してしまった、負け投手が福投手になったので、
福:
チームに申し訳ないということも反省していますし、
ここからドラゴンズが6連敗になったということで深く反省しているんですが、
何よりもですね、
ルールを破ってしまったんです。
えっ? どんなルールか?
ドラゴンズには、明文化はされていません、暗黙のルールなんですが、
「どれだけ打たれても次のピッチャーが投げ終わるまではベンチで見守る」
チームで戦っていますから、
その結束、和を乱してはいけないということで、
どれだけ打たれて悔しかろうが次のピッチャーが投げ終わるまでベンチで見なければならないというルールがあったんですが、これを破ったんです。
とにかく悔しさ、自分への怒り、いらだち、そしてタイガースファンの心無いヤジ、
色々なものが相まって頭がパニック状態になって、
3塁側のベンチありますよね、
私も行ったことがあるので分かるんですが細長いです、ベンチ、
ホーム側に監督やコーチが居て、
レフト側の隅っこに大体打たれたピッチャーがいるものなんですが、そこに階段があるんですよ。
10段くらい降りる階段、
そして階段降りた先には控えの野手が代打に備えて素振りをするスイングルームというのがあって、
そこを通過すると選手個々のロッカーがあるんです。
福投手、その日ベンチで腰掛けて又吉投手のピッチングを見ることなく、そのまま階段を降りちゃったんですね。
スイングルームを抜けちゃったんですね、ロッカーまで行っちゃったんですよ。
すると、
とある選手:
福~!
福~!
と呼ぶ声が聞こえる。
そこでやっと我に返ったんです。
福:
あっ!?
俺、ロッカーにいる!?
うわっ、しまった!!!
その声は福を呼び止めた声はスイングルームから聞こえたんです。
慌ててロッカーからそのスイングルームの所に行く、福を呼ぶ止めた選手の所へ行きます。
すると、
とある選手:
福、
又吉が投げている、
見なきゃいけないだろう。
又吉のピッチングを見るのもお前の仕事だ。
そう言ってくれたそうです。
福:
申し訳ありませんっ!!!
ここからです。
「早くベンチ戻れ!」じゃなくて、
とある選手:
早くベンチに戻ろう。
と言ってくれたんです。
その選手は福の背中をポンポンと叩きながら、
何と一緒に階段を登って、
一緒に3塁側のベンチに座ってくれて、
一緒に又吉投手のピッチングを見守ってくれたんです。
大反省、福投手。
福:
何てことを自分はしたんだ…。
ルールを破ったのも悪い…。
その選手に気を使わせたことも悪い…。
なかなか言いにくいことを言ってくれた…。
そして自分の素振りの手を止めて自分に付き合ってくれた…。
大変申し訳無い…。
もう我に返っていますから、
横にいるその選手に謝ろうとした瞬間、もうその選手はいなかったんです。
その選手は福投手が我に返ってちゃんと戦況を見つめているのを見届けて、
スッとまた自分の素振りに戻ったんです。
どうでしょう? わずか2,3分の出来事。
確かに自分の準備を続けることも大事なんだけれども、
それよりもきっとその選手は、手を止めて福を呼び止めて、注意してベンチに一緒に戻ることを優先した。
その方がこれから大事な大事なペナントレース、
クライマックスに向かう中でチームの和を乱してはいけないということを優先したんです。
福投手、
翌日、その選手に深々と頭を下げました。
福:
昨日は大変申し訳ありませんでした…!!!
するとその選手は、
とある選手:
えぇっ?(笑)
何の話?(笑)
笑顔だったそうです。
また背中を叩いてくれたそうです。
とある選手:
気持ちは分かるよ。
うん。
切り替えて!
今日も頑張って!
そう言ってくれたそうです。
私はこの話を聞いて、ますますドラゴンズが好きになりました!
素晴らしいチームです!
ちなみに福投手を呼び止めたその選手の名前は「堂上直倫」と言うそうです。
「直倫さんには、いつも励ましていただきました」 中日・堂上直倫選手を後輩選手達が絶賛!
中日・福敬登投手「ファンの皆さんがいなかったら僕たぶん自分で精神的に壊れて負けていたと思います」
中日ドラゴンズをますます好きになりました。