■2024.09.29 中日スポーツ
“即戦力”の繰り返し…中日は目先に囚われたドラフトで低迷か「5年先を見据えて」スカウトの声聞いた星野監督#中日ドラゴンズ #星野監督 #ドラフト
— 中日スポーツ (@chuspo) September 29, 2024
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■2024.09.29 中日スポーツ
“即戦力”の繰り返し…中日は目先に囚われたドラフトで低迷か「5年先を見据えて」スカウトの声聞いた星野監督
ドラフト会議まで1カ月を切った。その試合や大会の結果に一喜一憂せず、チームの順位にも左右されず正当に選手の力量を評価することが理想です。ところが、現実はそうと限りません。チームが強ければ世代交代はスムーズに進むのですが、低迷が続くとバランスを欠くドラフトになってしまうものなのです。苦しいときこそ長期的展望に立つべきなのに、目先にとらわれたドラフトになってしまうからです。
「5年先のチームを考えろ」。スカウトはこう教育されます。一方で私の経験上、ほとんどの監督は即戦力を求めてきます。対立ではありません。どちらも「ドラゴンズを強くしたい」という気持ちは同じです。でも、「今すぐに」と「5年先」では微妙に温度差があるのです。大学生や社会人が駄目で高校生がいいではなく、現場の要望に応えるためだけに「即戦力」を優先させると結果として帯に短したすきに長しに陥りかねない。その繰り返しが近年の低迷を招いている気がするのです。
「現場の要望」を聞くなと言いたいのではありません。むしろ、逆。常に情報を共有して、意見を密に交換すべきです。昔はスカウトが撮影した映像をみんなで見たものですが、今はインターネットに動画が出回っています。だから、現場の人間もいながらにして「スカウト活動」ができます。ただ、スカウトは1年をかけて追い続けます。その選手の性格、結果が出ないときの姿、練習での姿勢。映像に映らない部分を知っています。現場の苦労とスカウトの熱意。だから情報共有と意見交換が必須なのです。
少なくとも星野仙一監督は自分が得た情報を私に確かめてくれました。そして、「その選手より時間はかかりますが、大きく化けるのはこちらだと思います。なぜならば…」というこちらの説明を聞いてくれました。3度目、4度目の就任を想定していたからかもしれませんが、5年先を見てくれる監督でした。「同床同夢」だったのです。
Aクラスが当たり前のころはドラフトは「補充」ではなく「補強」の手段でした。悲しいかなBクラスが続くとその逆。現場の悲痛な訴えはよくわかるので、スカウトもすぐ使えそうな選手にいってしまうのです。
もちろん、長年スカウト職に就いていた私には責任があります。針のむしろに座る思いで、チームの苦境を見ています。それでもあえて書かせてください。スカウトは目先にこだわらず、5年先を見据えてほしい。現場はその選手を一人前にすることが最大の使命という気概をもってほしい。現状を招いた要因もスカウティングかもしれませんが、脱却させられるのもまたスカウティングしかないと思っています。(中日ドラゴンズ・元スカウト)
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元中日スカウト・中田宗男さん「中日は“土壌改良”が必要…なぜ堂上・福田を大砲に育てられなかったのか 総力を挙げて理由突き止めるべき」
中田宗男さんが語りました。