■2024.03.09 週刊ベースボールONLINE
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立浪監督が我慢して選手を育成。その花が今年、きっと咲くはずです【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】
沖縄にキャンプ取材に行ったときに1日中、中日の練習を見ていました。ほかのチームにそん色ない、いやそれ以上の内容で、遅くまで練習をしていました。これが中日の伝統なのかな、とも思いながら、このチームは強くなる可能性が高いなと感じました。
昨年、巨人と対戦したときに僅差のゲームが多かった、という話を以前のこのコラムでもしました。先制点を取ったほうが勝ったというイメージで、それが巨人のほうが多かっただけという印象でした。もし、先に中日の打線に1本出ていたら、シーズンの勝敗数は逆になっていたかもしれません。
そんな話を立浪(立浪和義)監督としました。そのときに突然「デーブさん、でもその1本を打つ技術がないとシーズンを勝ち抜けないんですよ」と立浪監督が言ったんです。私もそのとおりだと思います。そこを打てるかどうかが、優勝に絡めるかどうか、になってきます。
昨年シーズン後半、ある程度順位が決まったあと、立浪監督は選手たちに自分の打撃をさせるために我慢強く使い続けました。相手チームからでもそれがよく分かりました。犠打や、犠飛を指示して1点でも取りたい場面も、あえて選手たちに経験を積ませるために、打たせたりしていました。監督を経験したものとしては、その意図がよく分かりました。
今年、その1本を打つために経験を積ませている。無死、あるいは一死三塁の場面で、ヒットを打ったり犠飛を打つのはなかなか難しんです。巨人の現役時代に、そういう場面でチームとしてなかなかヒットや1点が奪えない試合が続きました。そういうときに篠塚(篠塚和典)さんが打席に。球界No.1と言ってもいいバットコントロールの達人。絶対に打つだろう、と思っていたのですが……。こんなすごい打者でも重圧に勝つのは難しいんだ、と思ったことがあります。
それだけ、好機に打って1点を挙げることは難しいのです。しかし、立浪監督はそこで1点を確実に奪えるような打線をつくろうとしていますし、選手たちもそれに応えようとしている雰囲気がありました。
何せ、投手陣はめちゃくちゃすごいですから。大野雄大も帰ってきました。そして9回には、怪獣のライデル・マルティネスが仁王立ちしています!(笑)。昨年対策が立てられないくらいのすごさを見せました。そんな守護神もいながら、ほかの投手陣も阪神に引けを取りません。
その投手陣をバックに、打線がつながりを見せると、強い中日になっていくと思いますし、Aクラスも十分に可能性があるなあ、と中日キャンプの帰りの車中で考えていました。こういうチームは開幕戦で勢いに乗りたいですよね。
もし、開幕3連戦のどこかで、無死、もしくは一死三塁で先制のチャンスになったときに、ポテンヒットでもいいのでそこで点が入ったら、一気にチームは波に乗るはずです。その場面をデーブ的には期待しています。
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デーブ大久保さん「タツ、ありがとう!」 中日・立浪和義監督「デーブさん、うちは中島宏之選手を戦力と捉えています。非常に期待してます」
デーブ大久保さん「中日ドラゴンズ、来ますね、これは」
デーブ大久保さんが語ります。