
■2026.01.16 RadiChubu-ラジチューブ-
「お前これ、カットだよ」谷繁元信が川上憲伸に伝えた新球種の正体
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投げられなかった新球種
2001年のオフ、川上さんはアメリカに渡り、ワールドシリーズで活躍するマリアノ・リベラ投手やカート・シリング投手が投げる新しい球種を目にしました。帰国後、秋季キャンプから習得に取り組み、ついに2002年の沖縄春キャンプを迎えます。
この年、横浜ベイスターズからFAで移籍してきた谷繁元信捕手が中日ドラゴンズに合流。キャンプでは谷繁捕手がブルペンで受けてくれる機会がありました。
しかし川上さんは、新球種をすぐには投げませんでした。
川上「おこがましくて言えなかったんですよ。『新球があるんです』と。1回目は投げなかったんです」
まだキャンプが始まったばかり。評価してもらわないといけない立場だからこそ、仕上がっていない球は見せられなかったのです。
ブルペンキャッチャー相手には堂々と投げていましたが、谷繁さんが来た時には投げられなかったといいます。
こっそり投げた新球種
キャンプも中盤に差しかかり、新球種がだんだん仕上がってきたと感じた川上さん。谷繁捕手がまた受けに来てくれた時、申告せずにこっそりその球を投げてみました。
すると谷繁捕手は首を傾げたのです。
川上「谷繁さんが『お前、今日なんかまっすぐ動いてるな』って言って。『あ、はい。ちょっと意識してます』って答えたら、『ああ、ええよ。もっとちゃんと投げろよ』って話になって」
それから1週間ほど経った第4クール終盤、川上さんの変化球はさらに成長していました。その球を見た谷繁捕手は、こう言いました。
『お前これな、カットだよ』
「カットボール」の誕生
「カット」が何のことかわからない川上さんに、谷繁捕手は「俺、向こうで受けてるから」と説明しました。アメリカでテスト生として実際にメジャーリーガーの球を受けた経験があったのです。
川上「『向こうのピッチャー投げるんだよ、こういうの。カットボールっていうの』『あっ、そうなんですか』」
川上さんはアメリカにいた時、この球種の名前が「カラー」と聞こえていたといいます。「cutter」(カッター)のttの発音が「ラー」っぽくなるからです。
川上「一緒の発音なんですよ、実際は。カタカナ英語で言うとカットなんですけど。それが一致して、谷繁さんが作ってくれたんです、名前を」
当時の日本では「カット」という呼び名はあまり一般的ではなく、「真っスラ」などと呼ばれることもありました。谷繁捕手はサインもちゃんと作ってくれたそうです。
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川上憲伸さん、谷繁元信さんが中日移籍した経緯について語る
川上憲伸さん「大谷選手が来ました、1番です2番ですって時に、もう井端野球っていう現役のものからしたら…」
カットボールについて明かしました。








