
■2025.10.31 RadiChubu-ラジチューブ-
「絶対やるぞ」井端弘和が鼓舞した川上憲伸2002年ノーヒットノーラン
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4回、無言の遠回り
新人の2軍時代から気兼ねなく話しかけてきたショート・井端選手。川上さんが2002年のノーヒットノーランを達成した試合でも、井端さんらしさが現れていたと川上さんは振り返ります。
「忘れもしないですよ、4回の裏です」
川上さんがマウンドに上がろうとした時、井端さんがわざわざ川上さんの方に遠回りしてきたといいます。
「だってビジターですから、ふくらんでいくわけですから。ホームだったらそのままショートに行く間にマウンドがあるんですけど、わざわざ通り過ぎて行ったんですよ」
しかし井端さんは何も言わず、ぐにゃっと遠回りして走っていったのです。川上さんは谷繁元信捕手とキャッチボールで肩を慣らして、その回も抑えました。
5回、察した瞬間
5回も井端さんは同じように川上さんの方に寄ってきました。
「あれ、なんだろうって思って」
今度はグローブで川上さんをポンと叩いて「やろう、やるぞ」と言ったのです。
「なんだろうと思って。その辺りから、『あれ、これノーヒットやな』と思って、それのことかと思って」
6回か7回には、「絶対やるぞ」と力強く鼓舞してくれたといいます。
ベンチで、孤独な時間
「井端選手以外は、誰ひとり僕と目も合わせないし、声もかけない」
通常はベンチに来る鹿島忠ピッチングコーチでさえ、近寄っても来なかったそうです。
川上さんは足の親指の爪をテーピングとボンドのようなもので保護していたため、通常ならトレーナーから「まだ大丈夫?」「剥がれてない?」といった確認があるはずでした。しかしこの日は、それもなかったのです。
「一切隣にいない。周りが意識して。もう孤独でした」
試合後、井端の思い
運命の最後の打者、読売ジャイアンツの清水隆行選手のショートゴロを井端さんがきっちりと処理し、川上さんは見事ノーヒットノーランを達成しました。
試合が終わってから、川上さんが「イバ、なんだったん?ずっと来てたの」と尋ねると、こんな答えが返ってきたそうです。
「『俺はね、ケンちゃん、今日4回前ぐらいから今年一番いいと思ったから、気合いも入って、これなら巨人いけるぞと思った。普通だったら確かに声をかけないでしょ。それは逆に嫌でしょ、雰囲気』って」
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中日入団直後はドラフト1位指名の重圧・VIP感を感じていた川上憲伸さんにとって特別な関係性・大きな支えとなっていた選手が…
川上憲伸さん「広島市民球場で育ってるバッターってバッティングが良いんです。なんでかと言ったら…」
川上憲伸さんが明かしました。











