
■2025.05.27 スポーツナビ
元中日チーフスカウト・米村明が明かす獲得秘話
— スポーツナビ 野球編集部 (@sn_baseball_jp) May 27, 2025
ドラ4で郡司、ドラ5で岡林を指名した理由#プロ野球 #ドラフト会議 #中日ドラゴンズhttps://t.co/RUZtqbKXIe
■2025.05.27 スポーツナビ
元中日チーフスカウト・米村明が明かす獲得秘話 ドラ4で郡司、ドラ5で岡林を指名した理由
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これだけ上位で予定通りに選手が獲れると、チーフスカウトの立場からするともうこの時点で十分成功だった。そこで4位で指名したのが関東一高の大型キャッチャー石橋康太だった。石橋のことは私ももちろん買っていたが、この年からアマスカウトディレクターになっていた元スカウト部長の中田宗男さんはもっと評価していて「2位じゃないと獲れないんじゃないか?」と言っていた。だから私も担当スカウトの八木智哉に「本当に2位じゃないと獲れないか、10回でも関東一高に行って調べてこい」と命じた。それで何度も何度も足を運ばせた。私は八木に「石橋は獲るなら4位。でもそれより上の順位では獲らない」と言った。3位では勝野を獲ることが決まっていたからだ。勝野は「肩がちょっと痛い」とまで言わせているのだから、それはもう絶対に獲る。だから石橋は4位でしか獲れない。八木も会議の度に関東一高に見に行って「それより上じゃなくても獲れます」と言い切ってくれた。1週間に2、3回は八木とは密に連絡をとりながら、どの球団が来ているか、来ていないかなどの確認もしていた。そうして予定通りに4位で獲ることができた。
石橋を上位では獲ろうとしなかったのは、そもそもキャッチャーで上位指名というのは歴代指名選手を見ても分かるように特別な何かがある選手だけだから。高卒キャッチャーの代表的な上位指名選手で言えば、古くは伊東勤(所沢高→82年西武1位)、谷繁元信(江の川→88年大洋1位)、城島健司(別大付属→94年ダイエー)1位など。比較的新しい選手では炭谷銀仁朗(平安→05年西武1位)や、まだ活躍はできてないが甲子園で6本もホームラン打った中村奨成(広陵→17年広島1位)などの名前が挙がる。石橋は将来性はもちろんあったが、ドラフト時点で彼等と並ぶほどの特別な何かがあるのかと言われるとそうではなかった。
期待の正捕手候補・石橋が伸び悩んでいる原因
高校時代の石橋は地肩が強かったしバッティングも人並み外れていた。プロに入って苦戦しているが、コーチ陣からあれこれ言われすぎておかしくなっているように見える。もっと自由にやらせていたら今頃はレギュラーとして中日のホームベースを守っていてもおかしくはなかった。私はそう思っている。バッティングフォームが縮こまって窮屈な打ち方をしていた時期があったから「何をまとまろうとしてんねん。お前にそれを求めてないよ」と本人に言ったこともあった。
中日も絶対的なキャッチャーがいる訳でもない状況で石橋も今年が7年目。未だレギュラーになれていない状況が私はとても歯がゆい。性格はクソ真面目。真面目なのは良いが「クソ」がつくようではプロではダメだ。そういう選手はコーチのアドバイスを全部その通りにやったりしてしまうから。
今年はドラフト4位で日本生命から同い年のキャッチャー石伊雄太が入ってきたが、開幕は石伊が一軍で石橋は二軍だった。だが、こういうときは誰にも何も言われないから石橋にとってはむしろチャンスでもある。逆にちょっと良くなってくると、コーチは「俺が! 俺が!」で色んなことを言ってくることが中日では多い。落合さんの監督時代は「コーチは選手が聞いてくるまで教えるな」と言っていたが、今はその逆で教えすぎているように思う。石伊と切磋琢磨して頑張って欲しいと思っている。
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中日・米村明シニアディレクター、関西大・金丸夢斗をべた褒めする「今年のドラフト候補で…」
中日・米村明シニアディレクターによる、ドラフト3位・森駿太へのドラフト前評価
米村明さんが語りました。