
■2025.05.16 RadiChubu-ラジチューブ-
「泣けてくるホームラン」…川上憲伸が挑んだ20年前のパーフェクトゲーム
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交流戦元年、5月20日の千葉ロッテマリーンズ戦で川上さんは「もう少しで完全試合」という素晴らしいピッチングを見せました。
パーフェクトに近づいた一戦
5月20日のロッテ戦について、川上さんは「なんかいい風が吹くというか、気候がいいというか」と振り返ります。
川上「パーフェクトとかそういうのができるとは、もちろん試合前は思ってはいないんですよ。でも妙に体調が良くなってきた感じがしました。マウンドに上がる瞬間からは、すごく清々しい感じで入っていけたのが良かったと思います」
落合博満監督は試合後、「川上はパーフェクトゲームやれると思った」と語っていたそうです。
2002年、川上さんは東京ドームでの読売ジャイアンツ戦でノーヒットノーランを達成していましたが、この日はさらに上を行く完璧な投球へと歩みを進めていました。
パーフェクトゲームへの挑戦
川上「途中ぐらいから、ヒットを打たれないというより、カウントと勝負し始めるんですよ。カウントを常に攻めておきたいので、ストライク先行で行きたいというのはあるんです」
ノーヒットノーランと完全試合では投球に対する考え方が根本的に異なるといいます。
ノーヒットノーランなら、際どいコースを攻めてバッターが振ってくれなくても仕方ないという割り切りができ、特に後半はすべて勝負球で勝負できます。
一方、パーフェクトゲームでは四球も許されないぶん、勝負球ばかりに頼ることはできません。カウントを思い通りに運べるとは限らず、ジレンマが生まれます。
川上「ツーボールとかで、あれ、ってなってきた時。振ってくれるはずの変化球を振ってくれなかった時に、その変化球を投げる勇気がないんですよ」
「泣けてくるホームラン」
スリーボールワンストライク。そんな極限の状況で、川上さんが選んだ投球は「頼れるストレート」。しかし、それが運命の分かれ道となりました。
川上「バッターがどう見てもストレート1本で読んでるんだろうけど。振ってくるとこに投げなきゃいけない」
その結果、イ・スンヨプ選手にホームランを打たれてしまったのです。
川上「後にも先にもあんな打球は見たことないような。ロケットの打球でホームラン打たれました」
この一打は、これまでにない「泣けてくるホームラン」だったそうです。
川上「悔しいんじゃなくて、終わってしまった…みたいな感じの。こんなことでよかったんだろうかというような」
パ・リーグの打撃哲学
川上さんは「一瞬、立ち直れないと思った」と語りますが、それでも試合展開を考え、「抜かずに頑張ろう」と気持ちを切り替えたといいます。
結果的にこの試合、打たれたヒットはそのホームランだけという驚異的な内容で、スタメン全員から三振を奪い、四球も与えないという素晴らしいピッチングでした。
川上「それはそうとしてもやっぱり悔しかったですよね」
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