■2025.01.05 中日スポーツ
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「馬力が人並み外れとった」外野手コンバートの4カ月後にジュニア球宴で2発MVP 井上一樹の背中を押した男
井上の運命が大きく動いたのは1994年3月9日。春季キャンプを投手として過ごしたが、教育リーグで野手としての出場を命じられた。外野手コンバートの発案者は、当時2軍監督だった島谷金二である。
「球は速かったけど、コントロールがバラバラでなあ。辛抱しようとは思ったけど、どちらかというと悪くなってた。でもあの体であの力。打者にすれば成功する確率が高い。そう思って、コーチに聞いてみたんよ」
この人が何も言い出さなければ、数年後には井上の野球人生にピリオドが打たれていたかもしれない。投手としては失格。だが、思い付きやダメ元ではなかった。
「技術はもちろんない。でも体幹が強くて、馬力が人並み外れとった。2、3年かけてでも、技術さえ覚えればドラフト1位クラスの打者になれる。契約金1億じゃって、笑いながら言うとったもんよ」
自信はあったが、独断ではなく2軍の全コーチに意見を聞いた。「あの時、誰か一人でも反対しとったらあの話はなくなってた」。全会一致。5年目の春から井上は外野手になった。
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