通算2902試合に出場したプロ野球審判員「34年間の審判員時代には、多くの名選手が目の前にいました。私が見てきた中で、左投手のナンバーワンだと思うのが、中日の…」

■2024.09.03 中日スポーツ

〔ちょい見せトーチュウ9/2〕2面
今中は超一流　中村のトークはセンス抜群　連載企画「ジャッジの裏側」　元NPB審判員　井野修さん#中日ドラゴンズ #今中慎二 #中村武志 #井野修 #ジャッジの裏側」
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■2024.09.03 中日スポーツ

今中慎二は超一流、中村武志はセンス抜群トーク…思い出深い2人の竜選手【井野修「ジャッジの裏側」】

　◇元プロ野球審判員・井野修「ジャッジの裏側」
　プロ野球の審判員を34年間務め通算2902試合に出場した井野修さん（70）が審判員時代に接したさまざまな選手のエピソードなどを紹介する企画「ジャッジの裏側」。今回は1990年代の中日のエースだった今中慎二さん（53）と、そのころの正捕手だった中村武志さん（57）との思い出を振り返る。

　34年間の審判員時代には、多くの名選手が目の前にいました。私が見てきた中で、左投手のナンバーワンだと思うのが、中日のエースだった今中慎二君です。ビュッと伸びてくるストレート、大きなカーブ、超スローカーブ、どれも一級品でした。そして投球以外にも、オッと感じることがたくさんありました。

　その一つは打席での立ち位置。彼は基本的にホームベースから一番離れたところに立ちました。大差の終盤ならまだしも、2、3点差では、いや4、5点差でも、多くの投手は何とか打とうとします。それはそれで普通のことでしょう。何が言いたいかといえば、今中君は1点のリードでも離れて立っていたと思いますし、彼にしてみれば「1点あれば大丈夫」ということだったのでしょう。そうした姿から彼の自信を感じたものでした。

　ストライクと取ってほしいところをボールと判定されても、平然としていましたね。それも、別にどうってことないよというような、自信だったのかなと思います。多くの選手は不満な判定に何らかの反応をしたりするが、一流はちょっと表情に出るだけで、超一流は顔にも出さない。審判員OBとそんな話をしたことがあります。今中君はまさに、振る舞いからも超一流を感じさせました。

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