■2024.07.04 CBC MAGAZINE(CBCマガジン)
「早く投げてや」祖母の思いに応えられるか!?ウエスタンリーグ9勝 竜希望の星・松木平優太
最後の椅子は誰にも譲らない
2020年育成ドラフト3位指名されてから2024年で4年目のシーズンを迎えた松木平優太投手。残りひとつとなった支配下登録の枠を勝ち取るべく、6月30日現在、ウエスタン、イースタン両リーグトップとなる9勝をマークするなど、ファームで圧倒的なピッチングを見せている。ただ松木平投手は現状にまったく満足していない。逆に焦る気持ちをなんとか抑えては次の登板に向け、調整しているようにも見える。
松木平投手「もう崖っぷちなので、必ず支配下登録を勝ち取りたい思いは誰よりもあります。4年目になったので、一日一日無駄にしたくないです」
祖母に恩返しをしたい
“世界中に「松木平」という珍しい名前を知らせたいです”
入団会見で口にしたこの言葉を今でも印象に残っているファンは多いことだろう。
世界中にとは、将来の目標はメジャーリーグなのかと考えてしまうのが一般的だ。しかし松木平投手の思いは違った。両親がいない子供たちの希望の星になりたい一心に、その言葉を選んだ。
インドネシア人の父と日本人の母の間に生まれた松木平投手。2歳の時に両親が離婚。ひとつ上の姉とともに母の実家で祖父母と暮らした。小学2年の時、松木平投手に悲劇が襲った。
母親の死。
何をしても許してくれては遊んでくれた。今でも優しかった思い出しか残っていないと語る。
そして追い打ちをかけるように、高校時代には祖父も事故で他界。悲しみにくれる松木平投手を支えたのは祖母だった。
松木平投手「おばあちゃんひとりで僕とお姉ちゃんを支えてもらったので、一番恩返しをしたいですね」
現在、老人ホームに入所しながら松木平投手の支配下選手登録を一日千秋の思いで待ち続ける祖母。なかなか会えることもできない中、電話をかけるたびに祖母が口にするのは“早く投げてや”の言葉。そんな祖母の思いに応えるためにも残るひと枠となった支配下選手登録は死に物狂いで奪い取る気持ちでいっぱいだ。
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松木平投手の思いは強そうです。