中日ドラフト4位・石伊雄太にとって“7月16日”は…

■2025.07.16 中日スポーツ

中日・石伊雄太、少年野球時代初の“相棒”の訃報届いた7・16に…6連勝導く好リード＆マルチ 託された写真と折り紙


「皆さんに助けてもらいながら、いい試合をすることができた」

　11年前に託された思いを胸にグラウンドに立った。普段持ち歩く手帳には一枚の写真が挟んである。あどけない表情を浮かべる少年の名は村田陵紀さん。石伊にとっては初の”相棒”だが、もう会うことはかなわない。

　出会いは小学3年から所属した三重県の尾鷲野球少年団。小学校は違えど、同い年。1学年上の阪神・湯浅らと真剣に野球に打ち込むうちに距離は近くなった。初バッテリーは小学6年のとき。「とにかく制球がよかった」相棒と県大会決勝まで勝ち上がった。だが、最後の大会を控えた練習に陵紀さんは来なかった。子どもに多いガン「横紋筋肉腫」を患い、入院していた。

　必ず戻ってくる―。そう願い続ける中、別れは突然訪れた。訃報が届いたのは中学2年だった2014年7月16日。現実を受け入れられず、涙が止まらなかった。プロ入りが決まって帰省した昨年末。少年団の同僚や保護者と食事したとき。陵紀さんの母・美加里さんから写真と、闘病中に陵紀さんが治療の一環で作った折り紙の花を託された。ドラゴンズカラーの青い折り紙の花はバンテリンドームナゴヤのドラゴンズワールドに、そして写真は手元に置き、日々の出来事を振り返る時に懐かしい顔へ目を落とす。

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