■2024.10.14 Number Web
「一番きつかったのは俺じゃない。誰だかわかるか」日本シリーズ完全試合継投の夜、落合博満が残した“ひと言” そのときエース川上憲伸は…(鈴木忠平)#プロ野球 #nbp #日本シリーズ #落合博満 #中日ドラゴンズ #嫌われた監督 #NumberWeb https://t.co/hMkAA45k7R
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「自分が投げる前に終わってほしい」日本シリーズ“完全試合”のウラで中日エース川上憲伸が抱えていた葛藤…敗因を聞かれ「反省しろってことですか?」(鈴木忠平)#プロ野球 #nbp #日本シリーズ #落合博満 #川上憲伸 #中日ドラゴンズ #嫌われた監督 #NumberWeb https://t.co/rCmX8mHlv5
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「どうだ?」「そろそろだと」完全投球の山井大介がなぜ…日本シリーズ“完全試合”の舞台裏「最後のマウンドに立つのは…」捕手・谷繁元信の結論 (鈴木忠平)#プロ野球 #nbp #落合博満 #山井大介 #谷繁元信 #中日ドラゴンズ #嫌われた監督 #NumberWeb https://t.co/axwWueJsfy
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「いいんだな? 本当に無理なんだな?」日本シリーズ“未完の完全試合” ロッカーで中日エース川上憲伸が見た風景…山井大介が「なぜここにいる?」(鈴木忠平)#プロ野球 #nbp #落合博満 #山井大介 #川上憲伸 #中日ドラゴンズ #嫌われた監督 #NumberWeb https://t.co/T4KDD62V64
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■2024.10.14 Number Web
「いいんだな? 本当に無理なんだな?」日本シリーズ“未完の完全試合” ロッカーで中日エース川上憲伸が見た風景…山井大介が「なぜここにいる?」
このまま終わってくれーー。川上はそう祈りながら、最後のアンダーシャツをたたんでいた。誰かがロッカールームに入ってきたのはその時だった。川上のロッカーは一番奥にあり、そこからは出入口が正面に見える。何気なく顔を上げたエースは入室者を見て、唖然とした。
〈山井だったんです。僕しかいないロッカーに山井が入ってきて、自分の椅子に座った。こっちとすれば、え、これから9回始まるのに、こんなところで何やってるのって……〉
まもなく森が入ってきた。急ぎ足のバッテリーチーフコーチは山井の背中に向かって言った。
「いいんだな? 本当に無理なんだな?」
いつになく、森の声が切迫していた。
川上には何が起こっているのか理解できなかった。そもそもパーフェクトピッチングをしている投手とコーチがやり取りをしていること自体が考えられないことだった。
川上は5年前、巨人戦でノーヒットノーランを達成した。その試合で記憶にあるのは、イニングを追うごとにベンチの一番奥に座る自分の周りから人がいなくなり、やがて誰も話しかけてこなくなったことである。大記録を継続中の投手に近づかないのは暗黙のルールであった。だから森が今の山井に話しかけるとすれば、何らかのアクシデントがあったとしか考えられない。川上は見てはいけない場面を見てしまったような気がして思わず顔を伏せた。そして一度はたたんだアンダーシャツを広げると、それをもう一度たたみながら気配をうかがった。
「なぜここにいる?」川上が山井に歩み寄り…
やがて落合も入ってきた。選手の領域であるロッカールームにはほとんど踏み入ることのない指揮官がわざわざベンチからやってきて、森と山井のやり取りを見つめている。
ただならぬ緊迫感が伝わってきた。
落合はすぐにロッカーを出ていった。やがて森もベンチへと戻っていった。ただ、最終回のマウンドに立つはずの山井はそこに座ったままだった。
なぜ、ここにいる?
川上はそっと山井に歩み寄った。
「どうしたん?」
山井は川上に気づくと、力なくこう呟いた。
「交代です……」
耳を疑った。日本シリーズ史上初めての完全試合を目前にしている投手がマウンドを降りる。そんなことがあるのだろうか。そうだとしたら、何があったのか。
唖然として立ち尽くす川上に、山井は右手の中指を見せた。
「ちょっと指が……」
「自分だったら骨折していても投げる」
血マメができて、それが潰れていた。テレビ中継でもゲームの序盤から山井のユニホームに血がついている様子が映し出されていた。だが、同じプロの投手である川上には、この場合、それが降板の理由にはならないことが分かっていた。
〈森さんとどういうやり取りがあったかは分からないですが、自分だったらたとえ骨折していても投げる。何かアクシデントがあっても誰にも言わずに隠しておく。そう思いました。それを山井に直接言ってしまったのか、それとも自分の心の中で思っていただけなのか、そこは覚えていないんですけど……、山井の顔を見ていると、何か他人に言えないことがあるのかもしれないとも感じました〉
何があっても最終回のマウンドに立つべきだと義憤のような感情を抱く一方で、葛藤の跡をうかがわせる山井の表情を見ると、それ以上のことは言えなかった。
それから川上は、今からマウンドに上がる投手のことを思った。岩瀬である。登板指令を受けたときストッパーがどんな心境になるのか、その胸中は想像することができた。どんなに過酷なマウンドであろうと、託されれば上がるしかない。守護神が背負っている定めは、エースのそれとどこか重なるところがあった。
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レジェンド・岩瀬仁紀さん、“完全試合目前の継投”の試合後に当時の落合博満監督から…
レジェンド・岩瀬仁紀さんが「あんまりね思い出したくないんです」「気持ちがギュッてなる」と語る登板が…
当時のことを明かしました。